メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群とも言われ、高血圧や脂質代謝異常、高血糖が起こりやすく、高尿酸血症や脂肪肝といった病気にもなりやすくなります。
さらに、長い間放っていると、動脈硬化が進行し、脳血管障害や心筋梗塞に進展してしまいます(詳しくは別の記事でまとめます)。
そのため、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドでは、生活習慣の改善による肥満の解消、食事量の制限や運動の奨励、飲酒習慣の更生や禁煙などに努めなくてはならないと書かれています。
我が国の糖尿病の診断基準は、日本糖尿病学会によって定められています。
初回検査では「型」が判定されます。
随時血糖検査では、食後をした時間と関係なく採血し、血糖値(この場合は随時血糖値と呼びます)を測ります。
早朝空腹時血糖検査では、検査当日に朝食を抜いた状態で採血し、血糖値(この場合は早朝空腹時血糖と呼びます)を測ります。
75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)は、検査当日の朝まで10時間以上絶食した状態で採血し、血糖値を測ります。
その後、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの)を飲み、30分後、1時間後、2時間後に採血し、血糖値を測るという検査です。
これらの検査は必ずしもすべて行うわけではなく、いずれかの検査で(1)~(4)の基準値を超えてしまった場合に「糖尿病型」と判断されます。
(1)早朝空腹時血糖・・・126mg/dL以上
(2)75gOGTTの2時間値・・・200mg/dL以上
(3)随時血糖値・・・200mg/dL以上
(4)HbA1c・・・(JDS値)6.1%以上または(国際標準値)6.5%以上
そして、以下の(5)および(6)が確認された場合は、「正常型」と判断されます。
(5)早朝空腹時血糖・・・110mg/dL未満
(6)75gOGTTの2時間値・・・140mg/dL未満
「糖尿病型」「正常型」いずれにも属さない場合は「境界型」と判定されます。
ただし、初回検査時に糖尿病が疑われる場合は血糖値とHbA1cを同時に測り、両方の結果が糖尿病型であった場合はその時点で糖尿病と診断されます。
くわえて、初回検査で血糖値の検査結果が糖尿病型であり、「口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の典型的症状」「確実な糖尿病網膜症」がみられる場合も、その時点で糖尿病と診断されます。
その後、別の日にもう一度検査をして糖尿病型と診断された場合に「糖尿病」と確定診断されます。
2回目の検査で糖尿病型の基準値以下であった場合は、「糖尿病の疑い」と判断され、3~6か月以内に血糖値やHbA1cを再検査することになります。
詳しくは、フローチャートを見てみてください。
糖尿病の検査で「境界型」と判断されても、安心はできません。
なぜなら、糖尿病ではありませんが、糖尿病に準ずる状態であるからです。
この境界型の人は、WHO(世界保健機関)の分類では、耐糖能異常や空腹時血糖異常となります。
また、境界型の人は、インスリン分泌障害やインスリン抵抗性がある場合があることが多く、インスリン抵抗性はメタボリックシンドロームとの関連が強いとも言われています。
メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群とも言われ、高血圧や脂質代謝異常、高血糖が起こりやすく、高尿酸血症や脂肪肝といった病気にもなりやすくなります。
さらに、長い間放っていると、動脈硬化が進行し、脳血管障害や心筋梗塞に進展してしまいます(詳しくは別の記事でまとめます)。
そのため、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドでは、生活習慣の改善による肥満の解消、食事量の制限や運動の奨励、飲酒習慣の更生や禁煙などに努めなくてはならないと書かれています。
糖尿病の検査では、血糖値の他にも血液の中のHbA1cを測る場合があります。
でも、一体これは何なのでしょうか?糖尿病とはどのような関わりがあるのでしょう?
まず、HbA1cとは何かと言いますと、hemoglobin A1c (ヘモグロビンエーワンシー)の略語となります。
日本語ではグリコヘモグロビンと言い、血液中のヘモグロビンに糖がくっついたものになります。
ヘモグロビンは赤血球に含まれているタンパク質で、赤い色の色素であるだけでなく、酸素とくっついたり離れたりすることができるため、肺から取り入れた空気中の酸素を全身に運ぶ役割を担っています。
よく、「赤血球は酸素を運ぶ」と言われますが、実際に酸素を運んでいるのは赤血球の中のヘモグロビンと言えます。
しかし、ヘモグロビンは酸素だけでなく糖もくっつくことがあり、この場合はなかなか離れません。
ヘモグロビンの寿命は約120日とされているため、血液中のヘモグロビンにどれくらい糖がくっついているかを調べれば、その人の血液中には、長い間糖がたくさんあったのか(血糖値が高い状態にあったのか)を調べることができるというわけです。
特に、糖尿病の人は血液中のブドウ糖が多い(血糖値が高い)ので、ヘモグロビンへの糖の結合が多くなり、HbA1cの量が多くなります。
糖尿病の検査では、HbA1cは約1~2ヵ月前の血糖値の状態を反映する指標とされています。
①でも記載しましたが、現在は、血液中のヘモグロビンに対するHbA1cの割合が、日本の基準で6.1%、国際基準では6.5%を越えると「糖尿病型」と診断されます。
ちなみに、血糖値の検査とは何が違うのかと言いますと、血糖値は食事やストレスなどによって変動しやすいので、測ったときにたまたま血糖値が高かったり低かったりすることがある場合があります。
検査の時にたまたま高かっただけなのに「糖尿病」と診断されてしまったら嫌ですよね(そのために数回にわたって検査をするのですが)。
一方で、HbA1cは1~2か月間の血糖値の状態を示しているので、より正確な診断が可能となるわけです。
*もちろん、血糖値の結果が信頼できないというわけではありませんよ!
今回は糖尿病の診断基準を中心にまとめてみましたが、いかかでしたでしょうか?
測定項目や糖尿病の指標については、血糖値とHbA1c以外にもいくつかありますので、次回にまとめてみようと思います。
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