糖尿病でも蕎麦(そば)を食べてもいいの?そばと血糖値の関係

糖尿病でも、そばが好きという患者さんは多いのではないしょうか? そばにも糖質は含まれています。糖質制限が重要な糖尿病でも蕎麦(そば)は食べても良いのでしょうか。そばと血糖値の関係はどうなってるのでしょうか。そばと糖尿病について考えてみましょう。

糖尿病における糖質制限と、そのメリットとは?

糖質制限とは、日々の食事において、炭水化物の摂取を制限することです。

糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称です。
そのため炭水化物が全て糖質とは言えないのですが、炭水化物中に占める割合は大きいことから「糖質≒炭水化物」と考えられることもあります。

また、炭水化物は食事の中でも糖質の割合が高いため、「糖質制限」=「炭水化物を制限する」ことが重要だと言われています。

ご飯やパン、麺類といった炭水化物を制限した食事を続けることで、血糖のコントロールだけではなく、適正な体重にコントロールする効果もあります。
ちなみに1日に摂取するべき糖質の量は、1日に摂取するべきエネルギー総量の50%~60%とされています。

メリット

糖尿病における糖質制限は、糖質(炭水化物)の摂取制限を行うことで、血糖のコントロールにおいて効果が表れやすいというメリットがあります。

デメリット

血糖のコントロールという視点から有効とされる糖質制限ですが、一方でデメリットもあるとされています。
続いて、糖質制限に重点を置くことで懸念されるさまざまな影響について見ていきます

糖尿病とそばと血糖値

そばは小麦やお米よりもたんぱく質を多く含み、マグネシウム、食物繊維、ビタミンB群が豊富というのが特長です。
その上、血糖値を下げ、糖尿病にも効果があると紹介されることが多い食品です。
栄養が豊富な上に、そばの実に含まれるルチンという成分が血管を強くしたり、すい臓の機能を高めるためです。

しかし、蕎麦(そば)は炭水化物を多く含みますから普通に考えれば血糖値をあげてしまう食品といえます。

糖尿病の食生活の基本はバランスよく食べるということです。

あくまでも、他の麺類に比べたら栄養が豊富であるというだけのことですから、
蕎麦(そば)をメインにするのではなく、他の食材と合わせた献立にする必要があるのです。

どんな食材でもそれ1品だけで全ての栄養バランスがとれる食材というのはありません。
それだけを大量に摂取しても良い結果にはならないのです。
全体のバランスとカロリーが一番大切ということを忘れずに賢い食生活を送りましょう!

糖質を摂らなければ血糖値が上がることはありません。
血糖値が上がらなければ、インスリン(肥満ホルモン)の余計な分泌がなくなり、疲れ切ったすい臓を休ませることができます。
また、糖質を摂取しないと主な栄養素は脂質とタンパク質になりますが、この場合、肝臓でアミノ酸などからブドウ糖を作ることになり、大量のエネルギーが消費されるので、寝ている間に痩せていくのです。

糖尿病の人が主食として「そば」を食べるのはOK?

蕎麦(そば)を食べる習慣のある方は多いのではないでしょうか?

糖尿病(2型糖尿病)は良質のたんぱく質を摂ることで合併症予防にも役立つとされていますが、本来、糖質と分類されるそばは、アミノ酸価がすごく高いのです。

それはなぜなのでしょう?

小麦粉よりはそば粉のほうが血糖値を急上昇させにくい

小麦粉と違って、そば粉はでんぷんが主体の胚乳以外にも甘皮や胚芽などが含まれていますから、食物繊維も豊富。

なので、胃腸での消化吸収にも小麦粉よりも時間がかかり、その分ブドウ糖の吸収も緩やかになるので、血糖値も急上昇させないで緩やかに上げていきます。

血糖値を急上昇させる食べ物であるほど、肥満にもなりやすいですし、糖尿病を悪化させやすくもなります。

そう考えると、小麦粉で作られているラーメンやうどん、素麺などを比べると、そばのほうがいいかもしれません。

血糖値の上昇スピードを示すGI値も「54」とそんなに高くないですから、その面から見ても悪くない感じもします。

とはいえ、そば粉も穀物ですから、含まれている糖質量自体、結構多いです(一人前当たり約50gぐらいの糖質が含まれているようです)。

血糖値の上昇が緩やかであっても、食べ物に含まれている糖質はほぼすべて、最終的にブドウ糖として吸収されてしまいます。

糖尿病患者さんであれば、健康な人よりも糖質に敏感になっていて、同じように糖質をとっても血糖値を上げやすい体質にもなっています。

なので、そばだからといって食べ過ぎてしまうと、それが糖尿病を悪化させてしまう原因にもなるかもしれません。

低GIな食品(そばもそのひとつ)は、健康な人がダイエットをするのにはいいかもしれませんが、糖尿病の人にとってはあまり意味がないという話もありますからね。

なので、たぶん糖尿病予備群あたりにはなっていると思っている僕も、そばはあまり食べません。

食事全体的に糖質量を抑えるようにしています。

また「そばを食べると血糖値を下げるの?」という疑問を持っている人もいるかと思いますが、そばは糖質量が結構ありますから、そばを食べて血糖値が下がるということはないです。

あくまでも「小麦粉食品に比べると血糖値の上昇が緩やかになる」といういことです。

大半のそばは、つなぎとして小麦粉を使っている

あと、時々でもそばを食べるなら知っておきたいこととして、「そば」とはいっても、大半のそばは小麦粉がつなぎで使われてるというのがあります。

そば粉だけではなかなか固まりにくいというのもあるそうで、小麦粉がつなぎとして使われてるのだそうです。

市販のそばの裏面の原材料表示を見ても、そのほとんどに「小麦粉」が表示されていると思います。

すべてそば粉だけで作られている場合は「十割そば」、小麦粉2割そば粉8割で作られている場合は「二八蕎麦」と呼ぶのだそうです。

外食での安い立ち食いそば屋などで売られているそばも含めて、そば粉の割合がもっと少ないものもあるそうですから、そばを食べるならその辺りも注意しておきたいところ。

小麦粉のほうが原価も安いですから、安いそばを提供しようと思えば、やはり小麦粉の使用率も多くなってくるでしょう。

「安すぎるそばは小麦粉が多いのかな」というような判断もできそうですよね。

健康な体であれば、時々そばを食べるにしても、そう気にすることはないかと思いますが、実はよく食べていた蕎麦は小麦粉の含有量のほうが多かったってことになると、それが糖尿病を悪化させてしまう原因にもなりかねませんからね。

そばはアミノ酸(のバランス)スコア100

白米や小麦粉に少ない必須アミノ酸リジンも多く含まれている

そばには、精白米やうどんと比較しても、多くのたんぱく質が含まれています。そばに含まれるたんぱく質の特徴は、何よりもそれを構成しているアミノ酸のバランスがいいことが言えます。
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のなかでも、特に人間のからだにとって摂取することが不可欠なアミノ酸を、必須アミノ酸と言います。必須アミノ酸とは、たんぱく質の生成になくてはならない栄養素であるにもかかわらず、人間の体内では作られず、食品から摂らなければならないとされる人間のからだにとって不可欠なアミノ酸を指し、9種類あります。
たんぱく質の良し悪しは、この9種類の必須アミノ酸のバランスによって決まります。

必須アミノ酸の理想バランス量を100としたアミノ酸スコア※で、何と蕎麦(そば)は100
蕎麦(そば)のたんぱく質がいかに優れたものであるかがわかります。
※プロティンスコアと表記されていた時代もありましたが、
現在は、必須アミノ酸量に基づいたアミノ酸スコアで統一。

これに対し、精白米のアミノ酸スコアは61 (1985年スコア)。
9種類ある必須アミノ酸のうち、精白米でもっとも不足している
必須アミノ酸は、リジンとされています。
小麦粉(薄力粉)は、精白米よりさらに必須アミノ酸リジンの含量が少なく、
アミノ酸スコアは42(同上)になっています。
そばは、白米や小麦粉には不足している、この必須アミノ酸リジン(lysine)を多く含みます。

糖尿病の予防には、そばとうどん、どちらが役立つか?

そばとうどんを選ぶような時、食べ物ですから、好みがあって当然です。しかし、栄養の観点から考えると大きな違いがあることも事実です。そばとうどんの場合、カロリー自体はどちらもそれほど変わりません。

1食分はおよそ240kcalです。ただし、うどんのほうが1食分の麺の量がそばよりも多くなるので、同じカロリーで満腹感を得るならうどんのほうが良いかもしれません。

また、そばとうどんでは、糖質を分解する時に使うインシュリンの量(GI値)が異なり、うどんよりもそばのほうが血糖値を上げにくいので、インシュリンの分泌を抑え、糖尿病の予防には、そばのほうが適しているといえます。

そばの具にも色々ありますが、どれが良いのでしょうか?

そばを選ぶとしても、そばの具にも色々あります。天ぷらそば、きつねそば、月見そば…。そばに合わせる具材によっても、栄養は異なります。あくまで栄養から考えた選び方ですが、最も良い選択は、わかめそばか、とろろそばです。

わかめやとろろには食物繊維が多く、低カロリーだからです。また、たぬきそばに使われる天かすの部分が、時間が経ち酸化された油であるとすれば、たぬきそばは好ましいとは言えません。酸化した油というのは、体には最も悪い影響を与えてしまうのです。

そばの他にも!血糖値改善に役立つ身近な食品!

身近な意外なもの!みかんは血糖値を改善する?

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身近な果物と言えば、リンゴ、バナナ、イチゴ、、その中にみかんってありますよね。
お手軽なもので、健康を保つことが出来たら一石二鳥!
みかんは血糖値を下げる効果があるのでしょうか?

糖尿病にも好影響?毎日の食事に「納豆」を!

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健康食品の代表格とも言える納豆ですが、糖尿病に対して好影響はあるのでしょうか?
今回は納豆の血糖値への影響や、働きをご紹介します。

糖尿病の食事には納豆が効果的?血糖値との関係

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納豆と言えば、大豆イソフラボン、ねばねば、など健康食品で知られていますが、
血糖値にも関係があるようです。
健康に万能な納豆をご紹介!

野菜を摂るならコレ!上手に血糖値を抑えよう!

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糖尿病の食事療法だと、一日に300gの野菜を食べることが基本とされています。
では、何を食べるとより糖尿病改善の効果が見られるのでしょう?

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