合併症予防にも!食事には良質なたんぱく質を!
良質たんぱく質といえば、よく必須アミノ酸が引き合いに出されます。しかし非必須アミノ酸は体に不可欠だからこそ体内で生成され、必須アミノ酸は摂りすぎる必要がないとも考えられます。完全な菜食主義者の人であれば、アミノ酸のバランスにも注意を払う必要がありますが、量が少なくても、魚や卵、肉や乳製品を食べている人では、必須アミノ酸やアミノ酸スコアを心配する必要は特にありません。
■良質なたんぱく質 = 肉・魚・卵・乳製品・豆?
たんぱく質の含有量を取り上げましたが、実は、たんぱく質には、良質のものと、そうでないものがあります。
そもそも、食品に含まれるたんぱく質と、体を作っているたんぱく質は、その構造が違っています。
良質のたんぱく質ほど、体を作っているたんぱく質(アミノ酸)と構造が近く、体内で効率よく合成することができます。
逆に、良質でないたんぱく質は、体内のたんぱく質と大きく構造が違っていて、たんぱく質の合成に時間がかかるのです。
良質のたんぱく質かどうか見分けるには、必須アミノ酸の量を元に計算された「アミノ酸スコア」というものがあります。
体内でタンパク質を構成しているのが20種類のアミノ酸です。そのうち体内で合成できない為、食物から摂らなくてはならないのが「必須アミノ酸」。そして、体内で合成できる11種類のアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼んでいます。
ビタミン・ミネラル必須栄養素を摂取することも大切ですが、アミノ酸濃度が十分かつバランスよく体内になければ、ビタミン・ミネラルも有効に活用することはできず、バランスが崩れてしまいます。特にダイエット時や食欲減退時には、食べ物から摂るタンパク質も不足しがちになります。
糖尿病の合併症、糖尿病腎症にも!
慢性腎臓病の原因の一つに、糖尿病があります。そのため、糖尿病を治療しつつ、腎臓病の治療も、という場合が増えているのです。
どちらも食事療法が大切な病気ですが、実はこれがかなり大変なのです。
■糖尿病の治療と腎臓病の治療を併用する
糖尿病を発症して10年くらいすると腎臓病を併発する人が多いとされています。
糖尿病の治療をしっかりしないと、これがさらに早まります。現在、糖尿病でなくなる方の約15%が腎不全といわれ、糖尿病の合併症に高い確率で腎臓病が起きることがわかります。
■相反する食事療法
糖尿病の治療も腎臓病の治療も、食事療法と薬物療法になりますが、腎機能が低下した場合には、糖尿病ですすめられてきた運動は、逆効果になります。
食事では糖尿病ではカロリーを抑えることが必要であるが、腎臓病では高カロリー食が必要であるなど、相反する部分があるため、どうバランスをとるかが難しくなります。
どちらの治療を優先させるかなどは、病状を正確に把握して医師に判断してもらうしかありません。
■良質のタンパク質を少量
糖尿病と腎臓病双方に必要なのは、良質なタンパク質を少量とることです。
良質なタンパク質とは、例えば次のようなものです。
・たまご
・牛乳
・肉
・魚
しかし、これらはアミノ酸バランスはよいのですが、タンパク質の含有率が高い食材なので、少量で一日分のタンパク質スコアを満たしてしまいます。
ですから、これらの良質タンパク質をマックスまで摂るために、他の食材はタンパク質を含まないものを選ぶことが重要なのです。
特殊食材は、このような場合にとても便利です。
良質タンパク質で、疲労回復!!!
栄養士のおすすめコメント
鰹は魚の中でも比較的カロリーが低い上に旨味が強く美味しく食べることができます。タウリンも豊富でインスリン分泌を促進します
栄養価(1人分)
エネルギー 100kcal
たんぱく質 8.7g
脂質 4.0g
炭水化物 7.1g
コレステロール 18mg
食塩相当量 0.7g
食物繊維 1.2g
カリウム 247mg
煮物や麺類の残り汁など、実際には食さないと想定される栄養価は、上記リストから除いてあります。
https://blue-circle.jp/articles/332
最近では健康を意識したレストランも、コンビニでのお弁当も増えてきました。
それでも透析患者さんにとっては適した食事とはいけません。
食事療法をきちんとするには食品の量や内容など細かく記録するなど手間がかかります。透析患者さんは量に注意しながら食べ方を工夫してみましょう!
https://blue-circle.jp/articles/262
糖尿病腎症は最終的には命にかかわります。高血糖と腎臓について知ることで高血糖の恐ろしさが理解できるはずです。糖尿病腎症、神経障害、網膜症という三大合併症の一つである糖尿病腎症の病態から症状までを理解して、腎機能の衰えを阻止しましょう