腎障害(慢性腎不全など)により透析を導入すると、
費用だけの負担ではなく、身体の負担や、
定期的な通院、日常の食生活なども管理しなければなくなってきます。
なかでも、水分管理やタンパク質に関わってくる
食事の方法はとても重要です。
腎障害(慢性腎不全など)により透析を導入すると、
費用だけの負担ではなく、身体の負担や、
定期的な通院、日常の食生活なども管理しなければなくなってきます。
なかでも、水分管理やタンパク質に関わってくる
食事の方法はとても重要です。
■水分制限
■塩分
■カリウム
■リン
■たんぱく質
外食やお弁当でまず気を付けなければならないものは何といっても塩分と水分です。
もし塩分や水分が体内に溜まり過ぎると肺水腫や心不全の増悪により胸痛や呼吸苦などを起こしま
す。また、透析中の副作用として血圧低下やめまい、嘔吐などを起こしやすくなります。
それと同時にカリウムの量もできるだけ控えることが大切です。カリウムの溜まりすぎは心臓麻痺の
原因となるので危険です。さらに蛋白質を摂りすぎると、老廃物の尿素やリンなどが体内に溜まり過
ぎて尿毒症の原因にもなりうるのでよくありません。
① 食塩摂取量がどうしても多くなってしまいます。食塩を少なくするコツを次の項目で教えます。
② 肉類や魚類などのタンパク質やデザートのフルーツ類などを食べすぎると、カリウムの摂取量が
多くなりますので注意しましょう。
③ 食前酒などのアルコール類には食欲増進作用もあります。しかし、食塩や蛋白質の過剰摂取につ
ながりますので注意しましょう。
④ 残す勇気を持ちましょう。
⑤なじみのお店を作りましょう。
メニューだけでなく、味付けも注文するようにしよう!
・味付けもオーダーしましょう・・・・注文するときに「薄味にしてください」というと、対応して
くれるお店もあります。またステーキなどの場合は、「こしょうのみで焼いてください」と頼むとよ
いでしょう。
・味の加減や材料がわかるメニューを・・・使われてる材料がわからない料理や、味の加減がわから
ない料理は避けましょう。
・外食したらお家では減塩・・・外食をするときは、家庭での食事は一切食塩を使わないようにする
など、計画的に食塩管理を行いましょう。
■自分で塩分の加減ができるメニューを。
どんぶり物(かつ丼、親子丼、天丼、中華丼など)はすでに調理されており、自分では食塩管理がで
きませんしたがって、どんぶり物よりも定食を注文したほうが食塩管理は行いやすいでしょう。
例えば、かつ丼よりはかつ定食を注文した方が、かつ丼につけるソースをやめたり、定食についてく
るお味噌汁や漬物を残すことで、食塩摂取量は2~3g程度少なくできます。
■鍋料理は塩分が多くなります。
鍋物(すき焼き、おでん、水炊き、ちゃんこ鍋など)は食塩摂取量が多くなるので要注意です。
■麺類の汁は残すようにしましょう。
麺類は汁を飲まないよう努力します。しかしこれはなかなか難しいものですから麺類は避けたいもの
ですね)
■別の器で塩分を調整
サラダのように、ドレッシングやマヨネーズがつく場合、注文するときに別の器に入れてもらうに頼
みます。こうすることで自分で塩分量を調整できますよ!
■注文時の工夫
野菜・フルーツは控える!野菜ジュースや果汁100%ジュース、野菜サラダ、ポテトサラダ、フルー
ツの盛り合わせといったメニューを注文しなければ、野菜やフルーツの量はさほど多くありません。
■食べ方の工夫
肉類・魚類はカリウムが豊富です。ステーキなどの肉類や刺身などの魚類で蛋白質の摂取が多くなる
場合は、同時にカリウムの摂取も多くなりますので注意しましょう。
■注文時の工夫
蛋白質が多いメニューには注意しましょう。
主菜となる肉類、魚類や卵、豆腐などのタンパク質、すなわち「おかず」が多いとリン摂取量が多く
なります。おかずが多いメニューには注意が必要です。
■食べ方の工夫
肉類・魚類はリンが豊富です。
蛋白質の多い食品にはリンも多く含まれているので、食べ過ぎないように量を減らしましょう。
また、リン吸着剤も医師の指示通りに忘れずに飲みましょう。
●調味料の塩分1gのめやす「小さじ=5cc 大さじ=15cc」
食塩➡小さじ1/5杯
醤油➡小さじ1杯
減塩醤油➡小さじ2杯
ウスターソース➡小さじ2杯
コンソメ(顆粒)➡小さじ2/5杯
和風だし(顆粒)➡小さじ1/2杯
ケチャップ➡大さじ1と1/2杯
1つ1つのメニューには少なくても、たくさんの種類を食べるとカリウムを摂りすぎてしまいます。
イモ類・野菜類・海藻類・種実類・豆類・フルーツ類などなどがあります。
① 野菜、フルーツの食べる量は多くありませんか?
② 肉や魚、牛乳などの副食は摂取しすぎていませんか?
③豆類(大豆、納豆。煮豆、ピーナッツなど)の食べ方はどうですか?
④イモ類は食べ過ぎていませんか?
⑤海藻類(ワカメ、昆布など)の食べ方はどうですか?
⑥100%果汁ジュース、トマトジュース、野菜ジュースは飲みませんでしたか?
⑦食事の全体量、食事のバランスに問題はありませんか?
カリウムの値が高いなぁと感じたらぜひ自分の食生活の振り返りをしてみてください。
改善できるところ、我慢しすぎていたところ、工夫できるところ、さまざまなことが見えてくると思
います。食事は人が生きるための生物学的なエネルギーもありますがなにより精神的なエネルギーの
糧になる方が大きいと思います。透析をしているからって卑屈にならないでください。
今一度、食生活を見直して楽しい食生活を送ってくださいね!
https://blue-circle.jp/articles/303
今回は、人工透析について詳しく見ていきます。人工透析と言えば、病気などの影響で機能が衰えてしまった腎臓の代わりに、体の中の血液をきれいに保ってくれたり、いる物要らないものを振り分けたり、身体の外からもともとあった腎臓の役割を果たしてくれます。そもそも腎臓は体の中でどのように働いてくれていたのでしょうか?
https://blue-circle.jp/articles/307
透析中の食事管理はとても大切です。特に、水分・たんぱく質の管理は重要で、毎食バランス、摂取量を考えなければなりません。さまざまな制限などにしばられるとストレスを感じてしまいとても大変な食事管理ですが、でも食事は楽しみたいですよね。そのためにもしっかりした知識を身につけてください。
https://blue-circle.jp/articles/374
透析患者さん食事について。透析中の上手な食事の摂り方とは、ずばり高カロリーかつ低蛋白の食事です。慢性腎臓病、人工透析の食事治療の両方に言えることです。食事をするための工夫をここでは紹介していきたいと思います。