2023年10月5日

頑張る栄養くん!~炭水化物・糖質編~

からだの中で栄養はこんなにも頑張ってくれています!先ずは栄養素の基礎を理解しましょう。 今回は炭水化物と糖質です。

栄養くんは今日も頑張ります! 
炭水化物・糖質編!

炭水化物ってなに?

炭水化物(糖質)は、たんぱく質、脂質とともに3大栄養素といわれ、身体の主要なエネルギー源となります。糖質は、単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど)、二糖類(麦芽糖、しょ糖、乳糖など)、多糖類(でんぷん、グリコーゲンなど)の3種類に分けられます。不足するとやせすぎや疲労感の、摂りすぎると肥満や糖尿病、メタボリックシンドローム、動脈硬化などといった生活習慣病の原因となります。

エネルギーを産生する

食べ物に含まれる糖質は、すべて最小単位である単糖にまで分解されてから吸収され、各細胞へと運ばれて1gあたり4kcalのエネルギーを産生します。エネルギーは、脂質やたんぱく質からも作り出すことができますが、脳のエネルギー源になるのは、飢餓状態にならない限り、単糖のひとつ、ブドウ糖だけです。炭水化物(糖質)の不足は、脳の燃料切れによる思考力低下のほか、疲労感ややせすぎの原因にもなります。

燃料として貯蔵される

血液中のブドウ糖は「血糖」と呼ばれ、インスリンというホルモンによって一定の濃度に調節されています。血液中の余分なブドウ糖は、グリコーゲンに作り変えられて肝臓と筋肉に貯蔵され、必要に応じてエネルギー源として使われます。しかし食べすぎて血糖が高い状態が長く続くと、だんだんとインスリンの効きが悪くなり、血糖が下がらなくなってきます。これが糖尿病のはじまりです。また貯蔵できるグリコーゲンの量には限界があるため、グリコーゲンとして貯蔵できなかった糖質は他のエネルギー源と同様に中性脂肪に作り変えられ、体脂肪として蓄えられます。そのため糖質をとりすぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらにメタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。

身体を作る成分となる

炭水化物は分泌液、粘液、遺伝情報を担う核酸(DNA、RNA)などの材料になります。

炭水化物と糖質ってどう違うの?

糖質と炭水化物とはどう違うのでしょうか。

市販の食品などに栄養成分を表示する場合は、健康増進法により次の5項目が必須とされています。

1.熱量(カロリー)
2.たんぱく質
3.脂質
4.炭水化物
5.ナトリウム

この中の4.「炭水化物」は、「糖質」と表示することも可能です。
但し、その場合は食物繊維の表示も同時に必要となります。

つまり、炭水化物とは糖質+食物繊維で構成されているのです。

栄養成分表示のある食品の糖質量については、炭水化物の欄を参考にすれば良いでしょう。
そして糖質は「糖類」「多糖類」などに細分化されています。

多くの市販の食品には、パッケージなどに、その製品の栄養成分が表示されています。表示の中の栄養成分に、「炭水化物」もしくは「糖質」「食物繊維」と記載がありますが、「炭水化物」は、「糖質」と「食物繊維」の合計で表されます。

炭水化物(糖質)の栄養所要量

糖質の推奨量
成人男性 摂取エネルギーに対して20%以上25%未満

成人女性 摂取エネルギーに対して20%以上25%未満

妊婦    特に付加はありません

授乳婦 特に付加はありません

栄養ってどのくらいとればいいの?日本人の栄養摂取基準!

https://blue-circle.jp/articles/115

毎日食事からとっている栄養ですが、
どのくらい摂ればいいんだろう。。。?
一度思ったことないですか?
今回は日本人の摂取基準を解説します!

過剰症・欠乏症はあるの?

炭水化物(糖質)が不足すると…

疲労感、思考力の低下、やせなど

炭水化物(糖質)を摂りすぎると…

肥満、脂肪肝、糖尿病、動脈硬化など

多く含む食品

ご飯、パン、めん類、はるさめ、くずきり、いも、豆、とうもろこし、果物、砂糖、はちみつ、菓子、清涼飲料など

効率よく摂るには

炭水化物はエネルギー源ですから、食物繊維、ビタミン、ミネラルと組み合わせると、ゆっくりと吸収され、また効率よく利用できます(エネルギーの項をご覧ください)。血糖値が気になる人は、さらに以下のようなことに気をつけると、血糖値の上がり方がゆるやかになります。ただし、これらの方法でカロリーカットできるわけではありません。

たんぱく質や脂質と一緒に摂る

たんぱく質や脂質は消化吸収に時間がかかるので、一緒に摂ると、血糖値の上がり方をゆるやかにすることができます。食事は炭水化物の多いごはん、めん、パンだけで済ませず、おかずも摂りましょう。

有機酸と一緒に摂る

有機酸は、お酢、トマト、梅干、酸味のある果物、ヨーグルト、ワインなどに含まれているいろいろな酸味のもとの総称です。有機酸を一緒に摂ると、食後の血糖値の上がり方が穏やかになる傾向があります。炭水化物の多い食事のときは、これらを一品つけるのがオススメです。

糖質制限ダイエットは本当に安全?

糖質の摂取を抑えるダイエット法がテレビや雑誌などのメディアで紹介されていますが、医学的に正しく検証されているデータは多くありません。

確かに糖質を抑えることで血糖値が改善する、体重が減少するとの報告はありますが、短くて数週間、長くても数年の短期間であり、10年、20年単位での長期的かつ正しく検証された報告はまだありません。

そうしたことからも、やたらに糖質をカットしてしまうことは体に害を及ぼさないとは言い切れません。

様々なダイエット法が次から次へと現れ、情報の取捨選択が難しいですが、健康を損ねずにやせるには、やはり運動と低脂肪を心がけた一汁三菜の食事が間違いありません。

参考・関連記事

エネルギー

https://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_01.html

エネルギーは、生きて体を動かす大切な活動の源であり、キロカロリー(kcal)の単位で表されます。このため、よく「カロリー」と呼ばれます。成人女性の多くは1日に約2,000kcalに相当する食べ物を食べ、約2,000kcalのエネルギーを使っていると考えられます。

炭水化物(糖質)の栄養、吸収、働き

https://nutrition.e840.net/n50300000.html

私たちが毎日摂取している食品の約60%は炭水化物であり、特にデンプンが大部分を占めています。主食と言われる、ごはん、などは炭水化物(と質)です

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