実は糖尿病と関連性の高い、骨についての基礎知識とビタミンDについて

骨って何でしょうか。体を支える重要なものである事はもちろん分かりますが、よく考えてみると正しい知識は意外と知らないものです。ここでは特に特に1型糖尿病とも関連性の高い「骨」についての基礎知識とビタミンDについてまとめてみました。

骨の役割

まずは骨の役割について理解しましょう。
私たちの体には206本の骨があり、その骨の役目というのは以下のようになっています。

1.体を支えること

大腿骨300kg、腰椎は700kgの重さに耐える

2.内臓を保護すること

頭蓋骨は脳を守り、肋骨は心臓や肺を守る

3.カルシウムを蓄えること

体のカルシウム=ミネラルが不足すると骨から供給される

この骨が健康でないとどうなるのでしょうか。不健康な骨とは、骨のカルシウムが抜け出てスカスカになり、軽石のようにもろくなって骨折しやすくなるのです。つまり最近話題の「骨粗鬆症」です。

骨は、一見、なにも変化しないように見えますね。
でも、実は活発な新陳代謝をくり返していて、体が必要とするカルシウムを供給したり、常に新しい骨をつくりだしたりしているのです。この骨の新陳代謝が滞ると、カルシウムが減少する一方で、「骨粗鬆症」になってしまいます。

けれど、骨は、他の臓器と違い、年齢を重ねても骨自体が老化するのではなく、骨のカルシウムが減少するだけですから、予防や治療ができるのです。
新陳代謝を盛んにし、骨をつくる細胞を元気に働かせ、健康な骨を維持したいですね。

そのためには、カルシウム、ビタミンD、運動、適度の日光浴、女性ホルモン等が必要であること、ご存じでしたか。骨の健康・不健康には、自覚症状がありませんから、若いうちから、十分に気をつけてくださいね。

カルシウムに強くなりましょう

カルシウムは働きもの

カルシウムは骨となってからだを支え、内臓を守るばかりでなく、生命維持のためのさまざまな働きをしています。からだの中のカルシウムの99%は骨や歯に含まれていますが、残りの1%は血液や体液の中に含まれており、特に血液中のカルシウムは常に一定の濃度に保たれて、わたくしたちのからだの機能の順調な働きを守っているといわれています。心臓を規則正しく動かせたり、筋肉を収縮させたり、血液の固まるのを助けたり、あるいはイライラを鎮めたり、集中力を高めたり……体内で大活躍しているわけです。

カルシウムは不足しがち

ところがカルシウムは人間が自分のからだの中でつくることはできません。食べ物から摂ることで、使った分を補ったり、貯えたりするしかないのです。ですからカルシウムをたっぷり摂れば骨にも十分貯えられますが、逆に足らないと、不足分を補うために今まで骨に貯えられていたカルシウムが血液中に出ていってしまうということになります。これが高じると骨がスカスカになってしまうわけです。

カルシウムは牛乳、チーズなどの乳製品はもちろんのこと、豆腐などの大豆製品、骨まで食べられるような小魚類、緑黄色野菜などに多く含まれています。これらの食品をたっぷり摂ってカルシウム不足にならないよう気をつけましょう。カルシウムは骨粗鬆症の予防ばかりでなくからだ全体のスムーズな働きに欠かせないのですから。

ビタミンD3とは?

カルシウムといえばビタミンD

カルシウムは食べただけでは骨にはなりません!ビタミンDの活躍がなければ、有効に利用されないのです。食物から摂取されたビタミンDや紫外線をあびて皮膚で作られたビタミンDは体内で活性化され、この活性型ビタミンDがカルシウムの吸収を高めたり、血液中のカルシウム濃度を一定に保つなど、骨にとってプラスのさまざまな働きをしています。

ビタミンDは何からとれるの?

ビタミンDも実は不足しがちです。食品ではシイタケやキクラゲなどの茸類とサケやカジキなどの魚類に多く含まれています。閉経によって女性ホルモンの分泌が低下することの他に、カルシウム不足とビタミンD不足が日本人女性が骨粗鬆症になる原因と言われています。また、食事からのビタミンDが不足したり加齢に伴い肝臓や腎臓での活性化が弱まったりすると、活性型ビタミンDができなくなります。そのため腸管からのカルシウムの吸収量が減り、これが加齢による骨量減少の原因の1つと考えられています。

ビタミンDは普通のビタミンとは違います。

ビタミンDはビタミンという名前はついていますが、おなじみのビタミンAやCなどとは少し違い、栄養素というよりホルモンの1種としての性質を持っています。
ビタミンDはそのままでは有効に利用されず、肝臓、次いで腎臓での活性化の過程を経て活性型ビタミンD3となり、はじめてさまざまな働きをしてくれます。

ビタミンDは骨を丈夫にしてくれます。

活性化されたビタミンDの働きを一言でいうと、体内でのカルシウムの利用を高めるということ。 すなわち腸でのカルシウム吸収や骨でのカルシウム代謝に作用し、血液中のカルシウム濃度やリン濃度を一定に保つ働きをしています。
ですからビタミンDが不足すると、体内でのカルシウム代謝が乱れてしまい、子供ではくる病、大人では骨粗鬆症などの骨の病気を起こしやすくなります。
骨を丈夫にするためには、カルシウムばかりでなくビタミンDが重要といわれるのは、このためです。

ビタミンDは皮膚でもつくられます。

ビタミンDは食物から吸収されるばかりでなく、紫外線をあびることにより皮膚でも合成されます。その作用のメカニズムは複雑ですが、適度な日光浴は骨にもプラスということを覚えておきましょう。

まとめ

糖尿病、特に1型糖尿病は、インスリンがほとんど分泌されない事により骨形成が低下して骨粗しょう症になりやすい病気です。骨の事もよく理解して、少しでも改善に役立てられると良いですね。

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