糖尿病食事療法は内容だけではNG!実は大事な「食事時間」。
例えば、朝、昼、夕食の間隔が短いと、前の食事で摂ったエネルギーが体内で消費されないうちに、また新たにエネルギーを摂ることになってしまいます。反対に、間隔があきすぎると、空腹のせいでつい食べ過ぎたりしてしまいます。またインスリン治療をしている場合には、低血糖が起きることもあるので注意が必要です。
やはり大切なのは、1日3食、朝食~昼食と昼食~夕食の間の時間を5~6時間と規則的に摂りましょう。また食事のボリュームも、できるだけ朝・昼・夕食の摂取エネルギー量を均等に配分することが理想的です。
このことは、インスリンの作用を効率よく働かせるためにも重要で、ひいては血糖コントロールにも役立ちます。
(2)食事にかける時間も重要。ゆっくりよく噛んで食べる
忙しい現代、食事にあまり時間をかけられない人も多いと思います。しかし、食後の血糖上昇抑制のためには、噛む回数や食事の所要時間も大切な要素です。また、ゆっくりとした食事は、インスリンの分泌を促すとも言われています。そこで、簡単にすぐできる、噛む回数を増やし食事時間を長くする方法をいくつかご紹介します。
自宅、外食問わず、できるだけ料理の皿数を増やし、一回で口に運ぶ量を減らしてみましょう。外食の場合には、野菜や魚がメインの定食などを注文すると良いでしょう。そうすることで、食事中に箸を動かす回数も増えるので、自然と食事時間も長くなっていきます。
自分で料理するときなどは、できるだけ食物繊維の多い食材を使ったり、調理方法を工夫して少し硬めに調理したりするのも良いと思います。こういった料理は、よく噛んで食材を細かく軟らかくしないと飲み込めないので、噛む回数も多くなります。そしてそれは、食事時間の延長にもつながります。
■よく噛んで食べるメリット
・少量の食事でも満腹感が得られやすい。
・食べ物の香り、味、口触りなど感じることができ、食事を楽しめる。
・脂肪組織でつくられるホルモン「レプチン」の分泌が促され、食欲を抑制する。
いわゆる早食いやドカ食いというのは、血糖値の急激な上昇の原因となります。
食事はゆっくりと時間をかけて摂るのが理想的です。
よく噛んで食べることで自然と食事時間は長くなりますが、習慣になるまでは意識して食事を摂りましょう。
よく噛むことで脳が満腹感を覚えるのですが、お腹がいっぱいと感じるまでにはおよそ20分を要します。
したがって、1回の食事では20分を目安に摂るようにすると、血糖値の上昇がゆるやかになり、対策としては効果的といえるでしょう。
(3)間食は必要?
小食で3食では摂取カロリーが足りない、といった場合には適度に間食を摂りましょう。
また、ライフスタイルや糖尿病の状態は人それぞれのため、間食する前には、医師や管理栄養士とよく相談することをおすすめします。
糖尿病の食事療法には、間食という考え方もあります。これは、甘いおやつのようなものではなく、果物や牛乳などの乳製品(チーズを除く)のことを指します。
これらは、朝、昼、夕の3食と一緒に摂っても構わないのですが、血糖値の上昇をより緩やかにしたいときには、間食という形で摂ると良いでしょう。ただしその際には、エネルギー量だけではなく、食材に含まれる糖質の量にも注意してください。
また、果物に含まれる果糖は消化・吸収が速いので、血糖値の急激な上昇につながることもあります。そこで、イチゴやキウイなど、比較的糖質の少ないものを選んで摂るように心がけてください。
毎日の食事時間を意識して血糖値を改善しましょう!
毎日できるだけ決まった時間に食事をする、夜遅い時間に食事をしない、ゆっくりよく噛んで時間をかけて食事をするなど、糖尿病における食事療法では日頃から、食べる時間帯と食べるスピードを意識することが大切です。
もちろん、基本的な摂取エネルギー量や、栄養バランスについても忘れてはなりません。
ポイントを知って正しく食事療法を続けていきましょう。