糖質制限ダイエット。この糖質制限では便秘になる方がかなり多いといわれます。
なぜ糖質制限に便秘がつきものなのか。それを詳しくご説明していきますね。
比較的簡単に無理のないダイエットとして注目されている糖質制限ダイエットですが、どうしても避けられない「便秘」というデメリットが出てきます。便秘の原因から見直し、そのうえで糖質制限ダイエットにも成功する秘技をお教えいたします。
糖質制限ダイエット。この糖質制限では便秘になる方がかなり多いといわれます。
なぜ糖質制限に便秘がつきものなのか。それを詳しくご説明していきますね。
比較的簡単に無理のないダイエットとして注目されている糖質制限ダイエットですが、どうしても避けられない「便秘」というデメリットが出てきます。便秘の原因から見直し、そのうえで糖質制限ダイエットにも成功する秘技をお教えいたします。
体に必要な成分はタンパク質、糖質、脂質、そして補助的にビタミンにミネラルです。食事の中心はやはり主食となる米飯、パン、麺ですが、これらはほとんどが糖質に分類されます。
糖質制限ダイエットは、文字通りこの糖質を抜いた食事にするのが正しいと単純に考えて、このダイエット方法を始めた方も多いと思われます。では、どうして脂肪ではなく、糖質を抜くのかご存知でしょうか?
食べた物が身体の中で燃焼されやすいのが糖質です。燃やす燃料が無くなった時点で、次に引っ張り出されるのが脂肪分です。燃やすべく脂質が身体の中にガッチリと貯蔵されているので、いったん在庫整理しましょうと、貯蔵燃料を消費するための手段が糖質制限ダイエットなのです。
食べない、油抜きなどの極端な制限だと便秘や肌荒れが生じたりするので、このリスクを小さくしてダイエットできるというメリットもあるものです。
人の腸は胃からつながる管状の消化管です。大きく分けると小腸と大腸に分かれますが、意のすぐ下の小腸は7~9メートル程度、その下の大腸が1.5~1.6メートル程度とかなり長い全長となります。そんな長い道のりを食べ物が消化吸収されながら移動していき、通常1日~3日後に便となって排泄されることになります。
大腸は「盲腸」を含めて「結腸」「直腸」、そして「肛門」につながります。結腸の部分はさらに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸の4つの部位に大きく分けられます。
腸の動きは自律神経が操り、蠕動運動と呼ばれる動きで便を上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸の順番で送り出します。
ダイエットを始めると、食べた物がすぐに便にならなければ便秘だと錯覚してしまう、それがストレスとなるような悪循環を生んでいる人もいるのではないでしょうか?便になるまでにはこんなにも長距離移動しているのだから、時間がかかるということを理解して7おきましょう。
腸の働きといえば、第一に便の形成ですね。小腸では食べ物の消化をしながらエネルギーとなる栄養分を吸収していきます。その下の大腸では主にミネラルや水分を吸収し、老廃物だけになる便を作り上げます。
食べ物に関することだけでは終わりません。外敵から自身の身を守る機能である免疫機能にも多く関わっています。腸には免疫細胞が多く存在し、食べ物には多くの細菌をはじめとした「敵」が付着していますから、これらを判断し排除するといった機能もあります。
腸内には悪玉菌と善玉菌がバランスを保ちながら通常は存在するのですが、善玉菌は免疫細胞を活性化させるといったことも言われています。
そのほか脳において情報交換をする神経伝達物質である「セロトニン」の多くが産生されるのが腸です。
セロトニンは心と体の安静や気持ちの安らぎをもたらす重要物質です。
こうした様々な腸の働きを維持するには、便秘などのない健康な腸内環境を作り上げなければならないことになります。
糖質制限を始めることで便秘になってしまった、自分は便秘症だと思い頻繁に気にかかるようになった人もいるかと思います。食べた分量のすべてが便となるように思っていることはないでしょうか?
人の便はもちろん食べ物の質にもよりますが、平均100~200gといわれます。
意外に少なく、たくさんの量が排泄されなければ便秘ということではありません。
また毎日何回も排便がなければ便秘というわけでもありません。
平均2〜3日に1回といわれ、3日に1回の排便でもお腹の不快感などが残らなければ、それも便秘とは言いません。
逆に毎日排便があるにも関わらず、排便後も膨満感や違和感が残っている、便が残っているような気がするといった症状があることが便秘といえるのです。
便秘の原因の大元には大半が食生活によるものですが、腸の動きと排便のタイミングなどが合わないことでも便秘は起こります。
糖質を制限するだけで運動量に気を向けずに、通常の仕事や生活スタイルが座りっぱなしな人では腸の運動が低下してしまいます。
腸の運動は縮む緩むの繰り返し運動で、この動きがなければ長い腸に屈曲のある道を便は通過することができません。蠕動運動が低下した人の便は大腸に停滞し、どんどん水分が吸収されている状態ですので便が硬くなっていっています。
ダイエットや、日頃の仕事などでストレスが溜まってしまうと、腸の運動が不規則になりけいれんなど起こしてしまう場合があります。そういった便秘では便を送り出すことができなくなるため、コロコロと小粒のウサギの便のようになることが一般的にみられるケースです。
腸運動とは違った原因には、排便を我慢することで直腸に便が滞ってしまう便秘です。
朝に便意があっても時間に余裕がない、日中でもトイレに行く雰囲気でなく遠慮したなどのシチュエーションで排便のタイミングを逃してしまうことです。
便意は直腸に便が移動してきてこそ刺激となって脳へ伝わり、排便したいという気持ちになるのですが、直腸で便がすでに固まり停滞していると、次に移動してきた便に対して、便意を感じづらくなってしまいます。
■食事の量が減ってしまう
ダイエットを決心すると、初めはダイエットの内容を重視しながら、健康的に糖質制限しながら体型を改善したいと考えると思いますが、知らず知らずのうちに食事全体を制限してしまってはいませんか?食べた分のすべてが便になるわけではありませんが、食べた量が減ると便の量も減ってしまうのは当然ですね。
■油まで制限してしまう
人間の身体には、ある程度の油は必要です。特に植物油は便を運ぶ運動である腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にしたり、腸内環境が整い便が腸の中で滑るように移動できるためには、絶対的な役割を果たします。油の制限は便秘の誘発原因です。
■炭水化物の代わりに肉食が多くなる
米飯、パンなどの糖質制限では、なんとなく腹持ちが悪いと肉食に走ってしまっている傾向はないでしょうか?
肉類は腸内の悪玉菌を増やす原料です。悪玉菌は腸の活発さを低下させるので、便を運ぶ力を弱めてしまい便秘となります。
■水分の不足
口から水分補給しなければ、出ていく一方です。身体が、水分不足を判断すると必然と体内の使用量も加減してしまうため、便に使われる水分が制限されます。したがって便秘となります。
■ダイエットの意識でストレスがたまった
何かを制限する、我慢しなければならない、ダメと言われると余計に意識してしまうのが、人間の心理。目の前にあっても食べなかったものでも、急に食べてはいけないものに変わると余計に食べたくなって…。この状況がストレスを生みだします。ストレスは自律神経のバランスを崩す王者です。そのため、腸の動きを弱めてしまい便秘につながります。
糖質制限によって体重は減ったとしても便秘が生じては、逆に体重減少もストップする、肌や体全体の調子が悪くなるなどの悪循環になります。
便秘が持続することでガスばかりが増える、そんなときの腸内では蓄積された便はいったいどうなっているのでしょう。
便は食べ物の中で不要になったカスです。作られたばかりの便では、ある程度の水分を含んでいますが、何日も停滞してしまうと腸内の悪玉菌が仲間を増やしてアルカリ性に変化させていきます。悪玉菌が増えるとアンモニアなどの有毒ガスが発生しますが、排泄出口が塞がっているためにガスは血液内に移入し、全身をめぐることになります。皮膚には老廃物を排除する機能がありますが、内面からどんどん処分するものが増えていくため、皮膚の代謝が追いつかなくなり肌荒れを起こしてしまうのです。
また美容の面だけではなく、便秘や腹部の不快感などからストレスがたまり、血行が悪くなると肩こりや疲労感などにもつながります。
そして最も気をつけなければならないのが、便秘が原因となる病気の発症です。
腸の動きが悪くなったり、腸壁にダメージを及ぼすため、腸閉塞や大腸がんを発症してしまう恐れがあります。
こういったことからも、決して甘く見てはいけないのが便秘といえるでしょう。
■しっかり食事
食事量を減らさないためにも、満腹感を認識することと、食事内容や食材に工夫が必要です。
炭水化物を全く摂らなくなると、米飯やパンが好きだった人には相当のストレスになります。
また炭水化物は、糖質と食物繊維が合わさった食品なので、炭水化物の絶食は食物繊維をも減らしていることになります。
食事三食のうち一食は少しでもご飯やパンを食べる、または、米を減らして野菜や雑穀を米に混ぜるなど、「食べた!」という認識を脳にインプットすることで、ストレスを回避できるので、便秘には効果的です。
■糖質制限した分、野菜を食べる
便として変化する食べ物が少なすぎても便秘になりますので、便もカサ増ししてやらなくてはなりません。
便秘解消には食物繊維が効果的ということは、多くの人が理解していることと思います。このカサ増しに食物繊維を使用しましょう。食物繊維と言っても二種類に分類されることはご存知でしょうか?
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維です。
水溶性には、納豆やオクラなどのネバネバ食品や海藻が代表的です。腸の中で周りの残骸を絡めて排泄しやすくする働きがあります。
不溶性には、きのこ類や豆類が代表的で、蠕動運動を促す働きを行います。通常は水溶性:不溶性=1:2の割合で摂取することがベストとされていますので、偏りのない摂り方が良いでしょう。
■自律神経を乱さない生活習慣
自律神経とは、生きる上で静と動をバランスよく使い分ける機能を持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、心臓を例にとってみると、緊張でドキドキするのは交感神経の働き。寝ているときに心臓を落ち着かせるのは副交感神経の働きになります。
そして、交感神経が暴れだすことで、しっかりと便秘になります。
このバランスを崩すのが、ストレス、不眠、疲労です。
人それぞれの生活スタイルは違っていますので、具体的に方法を挙げることはできませんが、リラックスと時間のゆとりを持つということは共通な部分として自分で作っていきたいものです。
■手ごろな運動を続ける
有酸素運動が一番効果的です。
激しい運動よりも20~30分程度のウォーキングなど、有酸素運動が新陳代謝を高める効果があるので、ゆっくりと脂肪の燃焼をさせるには打って付けです。
それに加えてテレビを見ながらでも簡単にできるストレッチも行うと便秘とは縁が薄くなりそうです。
便秘の不快感は排便時だけに留まらず、一日中、何日も持続するものです。そういった不快から脱出しようとすぐに便秘薬に手を伸ばしていませんか?便秘薬は様々な目的別に作られていて用途を間違ってしまうと腸をさらに傷めてしまうことにもなります。
便秘薬は大きく分けて刺激性下剤と非刺激性下剤の2種類の内服薬があります。市販薬では多くが刺激性下剤にあてはまります。
刺激性下剤はコーラックやスルーラックなど知名度の高いものがありますが、これらは腸の蠕動運動を引き起こすことで便を運び出そうとするものです。
下剤を飲み続けているうちにだんだんと効き目が薄くなったという経験談もよく聞かれます。これらは腸壁の刺激によってダメージが強く腸管神経や機能を低下させてしまい「弛緩性便秘」へと変わっていくことが一般的な原因とされます。
刺激性下剤が全く悪い薬というわけではなく、使用頻度(週に1~2回程度)を正確に保つことが大切なのです。
糖質制限が原因で便秘になった場合では、強い刺激に頼るよりは、腸の環境を整えることを重点的に行うことが推奨されます。
非刺激性下剤ではゆっくりと時間をかけながら善玉菌を増やしていく整腸剤や、腸管内により水分を集めて便を柔らかくし排便させやすくするといった酸化マグネシウム剤などがあります。市販品としても新ビオフェルミンSや酸化マグネシウムE便秘薬などがありますが、医療機関から処方されたものがより良いかと思われます。
糖質制限ダイエット中はどうしても食物繊維が不足します。
そこで、どういった食材を食べればよいのか、食物繊維不足だと感じる時におすすめの食材をまとめました。
■もやし
一般的なもやし、そして大豆もやしともに食物繊維を多く含んでおり、、糖質は少ない食材です。
栄養価では大豆もやしの方が高いです。買い物する際の価格については一般の緑豆もやしのほうが安いです。
これらのもやしは、カリウムやビタミンCなどの栄養が豊富ですので積極的に摂るようにしたいところです。
■おから
多くの食物繊維を含んでおり、糖質量も2.3gと糖質制限ダイエットにとても適した食材です。最近では乾燥させたおからもスーパーなどで販売されていますので糖質制限を始めた際にも購入しやすい食材です。
■きのこ類
しめじ、エリンギ、えのき、しいたけなどのきのこ類は食物繊維をたいへん多く含んでいます。うま味成分も多く含んでいるため、食材として幅広く使うことができます。
干ししいたけについては、糖質量が増えてしまうので、積極的には食べないようにしましょう。
腸の中に滞っている便は、そのままにしておくほど水分が吸収されてより硬くなっていきます。外側から腸を刺激することで腸の運動を活発にし、便の移動を円滑にしていきましょう。
便が直腸まで至るのに最終走行は大腸です。お腹の右下から上に向かい、次は右の一番下の肋骨下あたりから左に向かって横行し、左の一番下の肋骨から下に向かうというように四角に沿って便が移動します。この走行に沿ってお腹をマッサージしていきます。
1.手のひらを閉じてじゃんけんのグーを作ります。
2.おへその下に拳をあて、まっすぐ下に向かってお腹をゆっくりさすります。
3.お腹に「の」の字を書くように、拳を右上に、次は左横に、最後は左下に向けて動かしていきます。
4.大きな「の」の字を10~30回書くようにマッサージしていきます。
5.仰向けに寝ながらする場合は、両膝を立てながら、腹筋を緩めて行いましょう。
腸内にはたくさんの細菌が存在していることや、善玉菌を増やすと便秘解消につながることまでは、多くの人が理解されていることでしょう。
しかし善玉菌といっても一つの細菌というわけではありません。
腸内には善玉菌と悪玉菌の他に「日和見菌」と呼ばれる菌が存在します。日和見菌とは普段は悪さをしない中立な立場の常在菌です。平均的な腸内細菌の割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7といわれますが、このバランスが崩れてしまい悪玉菌が多くなると日和見菌も悪玉に変化するといった特徴があるのです。
こういったことからも、善玉菌を維持していくことが大切だとお分かりいただけると思います。
善玉菌の種類としてはヨーグルトなどでお馴染みの乳酸菌やビフィズス菌が代表としてあがってきますが、この2種類だけに終わらず、数え切れないほどの菌があるのです。
なかでも納豆菌は、悪影響を与える腐敗菌を蘇らせないように処理します。乳酸菌など腸内にとってプラスの働きをする菌にとって、良い環境づくりをするのが納豆菌です。
ほかには味噌や醤油、日本酒の生産には欠かせない酵母菌や麹菌も重要な善玉菌といえます。
酵母菌や麹菌は人の体に不可欠な酵素をつくり出し、それが腸に良い刺激を与えるため便通が良くなるといわれます。
糖質制限を意識した食事だけでもストレスを感じながらの生活に便秘が伴えば、より一層気分がマイナスになる。そんな状況でも薬にはあまり頼りたくないと、サプリメントを注視する人もいることでしょう。
便秘に効果のあるプリメントはもちろんですが、サプリメントの注意点なども知っておきましょう。
食物繊維の重要性は多くの病気においても立証されている成分の一つで、成人が1日に必要な量は男性では20g以上、女性では18g以上となっています。
食物繊維はもちろん、食事に組み込んで摂取することができるものですが、目標とする量はなかなか摂れないことが現代人の特徴です。それに重ねて、糖質制限のために炭水化物を避けてしまうと、その中に含まれる食物繊維をも避けてしまうことになります。
こういったときには食物繊維のサプリとしては「難消化性デキストリン」と呼ばれるものが良い効果を生むといわれます。難消化性デキストリンは水溶性食物繊維であり、水に溶けることで便のカサが増し、腸管内の刺激へとつながっていくものです。この成分は特定保健用食品としても認定されているため、より安心感をもって利用できることにもなりますね。
便を運び出す機能をアップする前には、腸内の環境を良くして行くことが必要です。
悪玉菌の増殖を防ぎながら善玉菌を増やしていくことで、腸内環境を良くすると便の質が改善され、腸の蠕動運動も活性化されることになります。
有毒ガスの発生も抑えられるため肌の調子も良くなり、免疫機能もアップするなど便秘解消以外にも健康維持には有益な効果を上げることができます。
サプリメントを利用する際にはサプリメントの役割をしっかり知っておく必要があります。サプリメントは薬ではないということを理解しておきましょう。
病院から処方される薬も、薬局で一般的に販売されている医薬品も症状を改善する薬理効果を持ったものですが、サプリメントはあくまでも食事の補助として役立てる一つなのです。
食事や運動など抜きに、サプリメントをたくさん飲んだからといって便秘がすぐに改善されることにはなりません。便秘に対する生活を改善したうえで、プラスαの役割がサプリメントです。
またサプリメントを過剰に摂取することは大変危険です。便秘以外で体の不調を起こす原因にもなり兼ねませんので用量や注意事項をしっかり守って使用することや、効果のない場合はやはり病院で診断と対策方法を得ることが大切と思われます。
激しい運動よりも20~30分程度のウォーキングなど、有酸素運動が新陳代謝を高める効果があるので、ゆっくりと脂肪の燃焼をさせるには打って付けです。
それに加えてテレビを見ながらでも簡単にできるストレッチも行うと便秘とは縁が薄くなりそうです。
ダイエットは糖質制限ばかりでなく、他の方法でも便秘を引き起こす原因になります。便秘になれば、それが原因で気分がすぐれなくお腹の不快を抱えた生活を送る。またそれが原因となってストレスとなり、さらなる便秘へつながる悪循環となります。
糖質制限は取り組み方一つで、とても便利なダイエット方法にもなります。また、大きな病気の改善策の一つにもなります。
便秘気味と感じたら、すぐに自分の生活習慣を見なおして、改善策を講じること。これこそが心と腸の爽快感を作り出していくのです。