2024年1月25日

糖尿病を見つけるために早めの検査を!

糖尿病を早く見つけるために検査が何より大事です。糖尿病と診断されるためにどのような検査があるのでしょうか。 検査の内容と合わせて、そもそも知ってるようで意外と説明できない糖尿病についても詳しく見ていきましょう。

糖尿病に関する検査について

糖尿病は、

・空腹時血糖値
・随時血糖値
・HbA1c

の3つの数値から診断する値です。

そして、糖尿病は、

・早朝空腹時血糖値が126以上
・随時血糖値(糖分負荷試験血糖値)が200以上
・HbA1cが6.5%以上

のどれかが当てはまると、糖尿病型と診断されます。

そして糖尿病は基準値に当てはまったらダメで、当てはまらかったら大丈夫という病気ではありません。少しでも糖尿病の素因がある方は、それ以上悪化しないように定期的にぜひ確認するようにしましょう。

1.尿糖検査

尿に糖が混ざっていないか、調べる検査です。
ブドウ糖は私たちの身体にとって欠かせない栄養分ですが、通常、尿にブドウ糖が混ざることはありません。
これが検索の結果、陽性(+)だった場合、糖尿病の疑いがあります。病院に行かなくても試験紙が市販されており、自分で調べることもできます。

一般的に血糖値が170mg/dl以上になると尿糖が出てきます。しかしその値には個人差が大きく、血糖値がかなり高くても尿糖がでない人もいます。反対にあまり高くなくても出る人もいます。(後者は腎性糖尿と呼ばれ、糖尿病ではありません)

2.血糖値検査

まず空腹時の血糖値とは、食事をしていない状態、つまり、インスリンの作用を受けていない状態で測った血液中のブドウ糖の割合のことです。

前日の夜から10時間以上絶食して採血・測定した値を、空腹時血糖値と呼び、血糖調節の基準値とされています。健康な人の空腹時血糖値は110mg/dl未満に保たれ、食後高くなっても140mg/dlを超えることはありません。どんな場合でも採血して、血糖値200mg/dl以上なら糖尿病と診断されることもあります。

そして、食後2時間血糖値ですが、目標値は 140mg/dl以下です。

食後2時間とは、食べはじめた時間から2時間後を指します。食べたものの約半分が腸で吸収されるころの血糖の値です。通常、食事をするとほぼ同時にインスリンが分泌され、血糖値が160mg/dlを超えることはあまりありません。

空腹時の血糖値が正常値でも食後2時間血糖値が高いと、脳梗塞、心筋梗塞など大きな血管障害のリスクが高くなります。

3.血糖コントロールの指標

血糖値は、食事や運動などにより変動しています。そのため採血した時点の血糖値だけではなく、過去の血糖値の全体の動きも知る必要があります。

ヘモグロビンエイワンシー(HbA1c)検査

ヘモグロビンA1c(HbA1c) …目標値6.5%以下

HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、採血したときより1~2か月前の血糖値の平均値を表しています。貧血がある場合には正確に判定できないので、他の検査が必要となります。

フルクトサミン(FRA)検査

フルクトサミン(FRA)  …目標値320μmol /l以下

血液中の蛋白質にブドウ糖が結合すると、フルクトサミンという物質になります。採血時より1~2週間前の血糖状態を知ることができます。

グリコアルブミン(GA)

グリコアルブミン(GA) …目標値12.3~19.5%

血液中の蛋白質の主成分であるアルブミンが、ブドウ糖にどのくらいの割合でくっついているのかを調べる検査です。採血時より2週間前程の血糖コントロールの状態を表す指標となります。

そもそも糖尿病とは。

糖尿病は、食事から得たエネルギーをうまく細胞が使うことができず、血液中に含まれるブドウ糖(血糖値)が常に高い状態が続いてる状態のことです。
この血糖値が高い状態がずっと続くと様々な合併症を引き起こします。
糖尿病性腎症もそのひとつです。
ゆっくりと進行していき、最初はあまり自覚症状がないのも特徴的です。
そんな怖い糖尿病ですが、まずは糖尿病の歴史から探っていきましょう!

古代から存在していた糖尿病!?

糖尿病のもっとも古い記録は今からおよそ3500万年前にさかのぼります。また、2世紀ころ、医師のアレテウスは糖尿病について「不思議な病気で、肉や手足が尿のなかに溶けてしまう。経過はどの患者も同じで、腎臓と膀胱が侵される。患者は水を作ることを少しの間もやめず、水道の口から流れ出るごとく絶え間ない。病気は慢性で一定の形をとるまでに長い時間がかかる・・・」と詳細に記録しています。日本における最初の記録は平安貴族の藤原道長でした。
このように古くから知られている糖尿病ですが、食料事情の厳しい時代にあたっては糖尿病の患者の数は増えることはありませんでした。
ところが戦後わずか70年の間に爆発的に増え始めました。今後もこの増加は伸び続けると言われたりもしています。
2012年の厚生労働省の調べによる統計では糖尿病及び糖尿病予備軍の患者は2050万人と発表がありました。今や糖尿病は国民病とも言えるでしょう。

なんで糖尿病になるの?

三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物のうちの栄養素である糖質は消化吸収されブドウ糖となりますが、ブドウ糖はインスリンという膵臓から分泌されるホルモンのはたらきによってはじめて細胞内に取り込まれてエネルギーとして体の中で利用されます。しかし、遺伝的な理由、生活習慣による様々な理由によってこのインスリンの分泌が低下したり、インスリンの働きが鈍る(インスリン抵抗性)とブドウ糖が細胞の中に取り込まれずに血液中に溜まってしまいます。これが高血糖の状態です。糖尿病の発症は遺伝的な要因が大きくかかわると言われています、現在、糖尿病になる人の多くは食べ過ぎによるもの、肥満(メタボリックシンドローム)、運動不足、ストレスなどの後天的な環境要因が大きく関係していると言われています。

糖尿病の治療はどうすればいいの?

食事療法、運動療法、薬物療法が治療の柱となります。
食べ過ぎ、まとめ食い、早食いなどで膵臓に負担をかけていないか見直してみましょう。
肥満や運動不足によりインスリンの働きが悪くなっている=インスリンの抵抗性がある場合にはカロリーオーバーや運動不足を解消しましょう。現在の体重の5%の減量、1日30分の歩行でもインスリンの感受性は改善すると言われています。以上のような生活習慣の改善でもインスリンがうまく働いてくれない、つまり、血糖値がなかなか下がってくれない場合は経口薬及びインスリンを含めた薬物療法を行います。薬は早期から上手に使うことで慢性の高血糖による悪循環(糖毒症)が打ち切れると薬物療法をやめることもできます。

糖尿病の検査まとめ

国民病ともなっている糖尿病ですが、昔と違って日ごろの生活習慣が大きく関係されてます。
ストレスや仕事の忙しさのあまり、早食いになったり、まとめ食いや、タバコの本数が増えたりしてはいませんか?糖尿病になってしまうと治すのに非常に大変であり、合併症の一つである糖尿病性腎症になってしまうとその人の人生は大きく変わります。

だからこそ定期的な健康診断や血液検査が必要です。

自覚症状に乏しい病気だからこそ、糖尿病に対する怖さを毎日意識して生活習慣を少しずつ気にして、定期的にも検査をしっかり受けることで、後悔しないよう自分の身体を守ってあげて下さいね。

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