人工透析を行っていると合併症を引き起こすこともあります。
糖尿病腎症から人工透析導入をされた患者様など特に合併症には気を付けなければなりませんね。
今回は人工透析で気を付けなければならない合併症6つをご説明します!
人工透析を行っていると合併症を引き起こすこともあります。
糖尿病腎症から人工透析導入をされた患者様など特に合併症には気を付けなければなりませんね。
今回は人工透析で気を付けなければならない合併症6つをご説明します!
最初に紹介するのは不均衡症候群です。
これは人工透析を長く行っているとなる合併症ではなく、
人工透析導入時にみられる副作用のようなものです。
人工透析を行うことによって、血液中に溜まっていた老廃物が急激に除去されてきれいになっていきます。しかし脳の中の老廃物は除去されにくく、身体と脳の間で除去によってきれいになった血液と毒素の残っている頭の中の血液との濃度差が生じます。
そのため頭の中の老廃物を薄めようとして脳はどんどん水を吸い込んでいってしまいます。
その結果、脳は浮腫み、脳の内圧が高くなってしまうために頭痛やむかつき、嘔吐などを引き起こします。
これらの症状を不均衡症候群と言います。ですが人工透析に慣れてくれば徐々に起こりにくくなっていきます。
まれに症状が長引くこともありますが、不均衡症候群を予防するには、水分や塩分の摂取制限、たんぱくの制限をきちんと守ることが大切です。
高血圧を助長させる原因はいくつも上がりますが、人工透析患者の主な原因は水分や塩分の過剰摂取によるものであり、それらが十分に排出できないために体液量が増加して高血圧につながります。
体重の増加には気を付けましょう。
透析の年数が長くなると、原因ははっきりしていませんが、次第に低血圧に移行することがあります。
透析や日常生活に支障をきたす場合もあります。その場合には低血圧の治療剤を用いることもあれば、ドライウェイトの検討をすることもあります。
腎不全になると、腎臓で作られている造血ホルモンであるエリスロポエチンの分泌が弱くなり、赤血球が作られなくなるため、貧血になります。また血中の尿毒素が増加することによって出血しやすくなったり、赤血球の寿命が短くなることも貧血の合併症の原因であると考えられています。
貧血データとして主に注目するのは、ヘモグロビンとヘマトクリットです。
ヘモグロビンは赤血球に含まれる成分で透析患者では10.0~11.0g/dlが望ましいとされています。
またヘマトクリットは血液中の赤血球の割合を示しており、30~33%ほどが望ましいとされています。
これらはどちらも貧血の状態を見ます。
立ちくらみ、動悸、息切れ、身体がだるい、狭心症症状などです。
①エリスロポエチンが分泌されいていないため、エリスロポエチンの補充の注射や鉄材などの注射があります。
②人工透析不足による尿毒素の増加を避けるため、十分な人工透析を行う必要があります。
③血液を作る主な材料となる動物性たんぱく質(肉。魚など)を必要量摂取して、バランスのよい食事を心がけてください。
④血尿、痔出血、鼻出血、消化管出血、生理出血などによる貧血もあります、このような場合はすぐに医師または医療スッタフに伝えてください。
⑤消化管出血については、早期に発見するために、毎月検便をとったり、便の色を見るようにして、便が黒っぽい、または便に血液が混じっているなどが見られた場合はすぐに医師または医療スタッフに伝えてください。
慢性腎不全などの人工透析導入要因になる病気では、感染に対する抵抗力が低下しており、かぜをひきやすく治りにくいことが多くあります。
そうなると、人工透析の合併症の一つ、呼吸器感染症(風邪)にかかりやすくなってしまいます。
特に高齢者であれば肺炎に移行する可能性も十分に高いです。
●検査
① 血液検査
②胸部レントゲン(必要時)
●予防
過労は避け、十分な睡眠をとり、偏った食事をとらないようにしましょう。
また、日ごろから適度な運動を心掛け体力を作ることが大切です。
季節の変わり目や冬場の気温の変動には十分に注意し、帰宅時にはうがいするうように心がけましょう。
●治療
安静保安、感冒薬の服用、抗生物質の服用、注射。吸入などがあります。
透析導入者が高齢者の方が多いという事もあり、
人工透析前では、ただの風邪で済んだかもしれませんが、
常に気をつけなければならないということですね。
なってからの治療よりも、
日々の予防を気を付けた方が、より効率がよいですし、
他の合併症も防げます。
予防を意識して生活してみましょう!
人工透析の合併症には、下記のように発症してしまう、
アミロイド骨関節症もあります。
アミロイド骨関節症の中には、アミロイドと呼ばれるたんぱく質が骨関節に沈着する
「透析アミロイド症」があります。
手首の辺りに起こる手根管症候群が高頻度でみられ、
手根部の関節に沈着したアミロイドが神経を圧迫したり、
血行を障害することで激しい疼痛や手指の機能障害、
関節のこわばりなど多くの症状が出てきます。
●アミロイド骨関節症はどのように発症するの?
腎不全
↓
アミロイドの原因物質(B₂-ミクログロブリン)が尿中に排泄できない
↓
透析でもB₂-ミクログロブリンは抜けにくい
↓
透析歴が長くなるにつれて、アミロイドという物質が骨や関節に沈着する。
↓
骨や関節、肩や首などの痛み、しびれ、麻痺が起こる
●予防
①関節の働きを保つため、手首や指の屈伸運動を行います
②十分に透析を行います。(高性能ダイアライザーの使用、HDF)
●治療
副腎皮質ホルモンの内服、手術療法など
アルミニウム骨症は、
膝や足の関節痛、骨痛、病的骨折、足腰の筋肉低下をもたらしてしまう病気です。
主に歩行障害を引き起こす。
●アルミニウム骨症はどのように発症するの?
腎不全
↓
アルミニウムが尿中に排泄できない
↓
透析でもアルミニウムが抜けにくい
↓
アルミニウムを含んだ薬を長い期間飲み続けると血液中にアルミニウムがたまる
↓
骨にアルミニウムが沈着する
↓
骨が弱くなる、骨が痛くなる
●予防
① 定期的に血液検査をして体の中のアルミニウムがたまっていないか調べます。
②アルミニウムを含んだ薬を長い期間飲み続けないようにします。
③食事療法(低リン食)を行います。
●治療・・・アルミニウムを除去するための点滴を行います。
他にも手根管症候群や2次性の副甲状腺機能亢進症など様々な合併症があります。
常日ごろからの小さな予防の積み重ねが大きな病気への合併症の予防になりますから、
根気よく人工透析と付き合っていきましょう。
https://blue-circle.jp/articles/307
透析中の食事管理はとても大切です。特に、水分・たんぱく質の管理は重要で、毎食バランス、摂取量を考えなければなりません。さまざまな制限などにしばられるとストレスを感じてしまいとても大変な食事管理ですが、でも食事は楽しみたいですよね。そのためにもしっかりした知識を身につけてください。
https://blue-circle.jp/articles/374
透析患者さん食事について。透析中の上手な食事の摂り方とは、ずばり高カロリーかつ低蛋白の食事です。慢性腎臓病、人工透析の食事治療の両方に言えることです。食事をするための工夫をここでは紹介していきたいと思います。