頑張る栄養くん!~ビタミン ビタミンB₁~

見えないところでも栄養は頑張ってくれています!今回はビタミンB₁編!

ビタミンB₁とは?

ビタミンB1は、主に炭水化物の代謝を助けてエネルギーを産生するほか、筋肉疲労時にたまる乳酸の燃焼にも関与するため「疲労回復ビタミン」と呼ばれています。水に溶けやすい水溶性で、熱、酸素、中性、アルカリによって壊れやすい性質があります。不足すると倦怠感や脚気、疲労などが生じます。

炭水化物の代謝を助ける

私たちが食べ物から摂ったたんぱく質や脂質、炭水化物を利用するには、これらをエネルギーや身体の成分といった人間に必要な形に作り変える、「代謝」を行なわなければなりません。ビタミンB1は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝すべてにかかわっていますが、その中でも炭水化物をエネルギーに変えるのを助ける働きがとくに重要です。ビタミンB1が不足すると、エネルギー不足で倦怠感を感じます。また炭水化物は脳の主要なエネルギー源なので、脳にもエネルギーがいかなくなり、イライラ感が生じます。さらに手足が痛んだり重くなったりむくんだりといった脚気の症状も引き起こされることがあります。

乳酸の代謝を助ける

激しい運動をすると、エネルギー産生のときに、疲労物質である乳酸も作られます。これが体内に蓄積されるとほかの代謝を邪魔し、疲労の原因になります。しかしビタミンB1はこの乳酸をエネルギーに変える手助けをし、体内に乳酸がたまらないようにします。

神経の機能を正常に保つ

ビタミンB1は、神経細胞間で情報を伝える神経伝達物質の合成に必要です。そのため不足は短気や抑うつ感、記憶力低下、心臓の機能不全などの原因になります。

欠乏症・過剰症は?

●ビタミンB1の欠乏症

ビタミンB1が不足すると、イライラなどの症状や、集中力の低下が起こります。
ビタミンB1が慢性的に不足して、脳の中枢神経に障害が起こった場合には、ウェルニッケ脳症になります。ウェルニッケ脳症とは、眼球の運動麻痺、意識障害などが特徴で、進行すると昏睡に陥ります。また、重症になるとコルサコフ症という精神病になることもあります。アルコールの摂取量が多い人に起こりやすいといわれ、アルコール依存症との関係が研究されています。
また、ビタミンB1が慢性的に不足し、末梢神経に障害が起こった場合には、脚気という多発神経炎になります。初期では食欲不振や疲労感、進行すると手足のしびれ、むくみ、動悸などの症状が見られます。重症になると、心不全を起こして死に至ることもあります。
現在の日本では脚気が起きることはほとんどありませんが、最近では若い人を中心に偏った食生活やお菓子・清涼飲料水をたくさん摂ることによってビタミンB1不足となり、脚気の患者が見られるそうです。

●ビタミンB₁の過剰症

ビタミンB1は水溶性のため、毎日尿から排泄されます。食欲がないときや、タバコやお酒もビタミンB1の不足を招く原因のひとつです。また、汗からもビタミンB1は喪失するため毎日摂る必要があります。食事から摂る場合には過剰症は知られていません。
摂取の基準としては、表の通りです。

ビタミンB1が多く含まれる食材

ビタミンB1が多い食材は以下の通りです。

豚肉 もも赤身 0.96mg
豚肉 バラ肉 0.54mg
豚肉 ロース肉 0.63mg
うなぎ蒲焼 0.75mg
玄米(180gお茶碗軽く1杯) 0.28mg
胚芽米(180gお茶碗軽く1杯) 0.14mg
納豆(50g 1パック) 0.04mg
木綿豆腐(100g 1/3丁) 0.07mg
そば (1玉分200g) 0.10mg

糖質代謝に欠かせない【ビタミンB1】

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ビタミンB1は糖質をエネルギーにかえるサポートをする栄養素。不足するとさまざまな不調があらわれるので、普段から意識して補いたいですね。そんなビタミンB1の働きや推奨摂取量、ビタミンB1を多く含む食材について、あすけん栄養士がわかりやすく紹介

効率よく摂るには

にんにくやねぎと組み合わせる

にんにくを食べるとスタミナがつく、とよく言われますがこれは本当です。ビタミンB1はにんにくに含まれるにおい成分アリシンと結びつくと、アリチアミンという脂溶性の物質となって吸収や利用の効率がよくなり、疲労回復を助けるからです。アリシンはねぎや玉ねぎ、にらなどにも含まれています。またビタミンB群は相互に補い合って働くため、複合的に摂ったほうが効果的です。

ほかのビタミンB群と組み合わせる

ビタミンB群は相互に補い合って働くため、ほかのビタミンB群の多い食品とともに摂ったほうが効果的です。

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