腎臓の働き~尿が出来るまで~

腎臓の働き~尿が出来るまで~

腎臓病罹患者は現在29万人と言われます。 もしかしたら、自分が人工透析治療になる可能性もあるかもしれない。その前に身体の仕組み、腎臓が悪くなると尿などどう影響がでてくるのかをしっかり把握しておきましょう


私たちが毎日排出している"おしっこ"はただの水分ではありません。
身体の中から捨てなければならないもの、捨てちゃいけないものを分別して分けておしっこを作るのです。私たちのおしっこがどのように作られているのかみていきましょう。

腎臓の6つの働きについて

腎機能の働きについて以下にまとめます。


① 老廃物の排泄

エネルギー源となる物質が体内で利用された結果できた老廃物を尿として排出します。

② 水分量の調節

尿を多くしたり少なくして調節することで、体内の水分量を一定に保ちます。

③ 体液バランスの調節

電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン等)の濃度や量を調節します。また血液を弱アルカリ性に保ちます。

④ 血圧の調節

ナトリウムや水の排泄を調節するとともに、RAA系と言われる血圧を調節する機能をもっています

⑤ ビタミンⅮの活性化

ビタミンⅮは腎臓で活性化されて初めて、一人前の働きをする活性型ビタミンD₃に変化します。

⑥ 造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)の分泌

赤血球を一定に保ちます。

尿生成~おしっこ(尿)ができるまで~

血液はどこで"おしっこ(尿)"になるの?

腎臓の位置は背中側のちょうど腰に手を当てたあたりに存在し、そら豆のような形をしています。

心臓から出る血液の量は1分間に約5lほどです(心拍出量)。

尿を作るときは、心拍出量の約20%という大量の血液が腎臓に入っていくところから始まります。

大動脈から腎動脈を通り輸入細動脈へ、そして最後は糸球体に至ります。

一個の腎臓に約100万個、左右合わせて200万個近くある糸球体は"おしっこ"を作るときにとても重要なものになります。

良いもの!悪いものを濾過

200万個近くある糸球体についてもう少し詳しく見てみましょう。

わずか0.2mmほどしかない糸球体を内側から見てみると、たくさんの小さな穴が開いています。

この穴で体のごみとなったもの、尿素窒素(食事の蛋白質由来の老廃物)やクレアチニン(筋肉など体の蛋白質由来)そしてナトリウムやカリウムや水分が抜けています。

しかし体に必要な血球成分や大事な蛋白質であるアルブミンなどの物質は捨てられることはありません。
このように糸球体では良いもの、悪いものを選別して濾過をしています。

その結果、私たちの"おしっこ"には蛋白や血液は含まれず、体にとって有害なものをいっぱい含んだ"おしっこ"を作っているのです。

糸球体は圧力を利用している?

糸球体の中の圧力は約40mmHgあり、この圧力によって"おしっこ"は糸球体の外側に押し出されます。

糸球体が障害を受けるとこの圧力が高くなったり、弱まったりと糸球体に負担をかけることになります。
糸球体の中にはメサンギウム細胞という、うちわの要に当たる大切な細胞があります。

メサンギウム細胞が収縮したり拡張したりすることで糸球体の内圧を調節しています。

悪い物質はこのメサンギウム細胞に蓄積し腎臓に障害を与えます。

尿細管から膀胱へ

糸球体で作られた"おしっこ"のもと(原尿)は、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管からなる尿細管と呼ばれる細い管を通り、腎盂に集められます。

その後は尿管から膀胱、尿道を通り尿となり体外に排出されます。

尿の色が濃い黄色かかったものや、レモン色、また無色のもの。尿の量が多いもの少ないものなど様々なものなどがありますが、どちらの状態も異常なものではありません。

しかし、血液が混ざって深い赤みを帯びている血尿だったり、ワインレッド色をしている尿には要注意です。
さらには"おしっこ"をした後の泡が大きく破裂しないようなら蛋白の多く混ざった蛋白尿である可能性があります。

蛋白尿のなかにも、栄養蛋白であるアルブミンがごく微量に尿に出た場合は微量アルブミン尿と呼びます。

実は重要!RAA系について

RAA系とは、レニンアンジオテンシンアルドステロン系の略で、
腎臓の血圧を調節する機能の一連の流れを差します。

普段臨床に関わっていないと、まず触れない言葉ですが、
この流れが、とても重要なのです。

腎臓の血圧を調節する機能であるRAA系について詳しくみていきます。

RAA系は医療学生なら一度は勉強したことがあると思いますが、臨床に出るとその機序を覚えている人は多くはないでしょう。


RAA系はレニンが分泌されることから始まります。

腎臓は、傍糸球体装置、緻密斑、傍糸球体細胞と呼ばれるところで血圧の変化を感知してレニンを分泌します。

血中に分泌されたレニンは肝臓に働きかけ、肝臓から分泌されているアンジオテンシンノーゲンに作用して10個のアミノ酸からなるアンジオテンシンⅠに変換します。

アンジオテンシンⅠは肺から血中に分泌されているアンジオテンシン変換酵素によってアンジオテンシンⅡになりアンジオテンシンⅡ受容体に作用して血管を収縮させ血圧の上昇を促します。

さらに副腎皮質のアンジオテンシンⅡ受容体に結合してアルドステロンを分泌させます。

アルドステロンは主に腎臓の集合管に作用してNa⁺の再吸収をおこないます。

Na⁺の多くなれば水の再吸収量も増え循環血液量上昇により血圧が上昇します。

RAA系ではアンジオテンシンⅡとアルドステロンのダブル力で血圧をあげているんですね。

以上の一連の流れがRAA系です。



今回は腎臓の働きと、ちょっと詳しいレニンアンジオテンシンアルドステロン系(RAA系)について
書かせていただきました。

解剖学は医学の基礎であり、入り口に当たる部分ですが、一番大切なところです。

解剖学をしっかり勉強すれば病気に対してもそこまで難しく考える必要もなくなっていきます。

解剖学をしっていれば体のどこかしらが障害された場合、それが人体にどのような影響を及ぼすのかが自然とわかってきます。

解剖学は大変ですが根気よく勉強していきましょう。

尿蛋白?尿に泡?そんな時はすぐ尿検査!

腎臓の尿路のどこかに異常が起こると、
頻尿になったり、逆に尿量が減り水分が貯まってむくみやすくなったりします。
腎不全の原因となる物を防ぐためにも、
何事も早めの早期発見が大事です。


腎臓の病気の検査としてまず最初に尿検査があります。

腎臓に異常がる場合は、
血尿や、タンパク尿が見られます。
尿の色に注意することがポイントで、
薄いピンクや赤、茶褐色の血尿、尿が泡立って泡がなかなか消えない(タンパク尿)時は
早めに受診しましょう。

尿たんぱく

腎に障害があると、
たんぱく質は尿細管で再吸収されずに、
尿中に漏れ出してきます。
また、尿管や膀胱などに異常がって
出血したりする場合でも、
血液中のたんぱく質が尿に交じってしまいます。

尿たんぱくの検査とは、
腎臓や尿管などの障害の有無を調べるために用いられます。

【尿たんぱくの基準値】

■定性検査・・・陰性(-)
■定量検査・・・1日あたり100mg以下

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