糖尿病が癌の罹患リスクを2倍にアップ!?その理由とは

糖尿病が癌の罹患リスクを2倍にアップ!?その理由とは

糖尿病には三大合併症に留まらず数々の病気に気をつけなければなりません。しかし意外に知られていないのが癌です。糖尿病が癌になるリスクを上げるといわれます。どんな関りを持っているのか、どういったことに気をつけなければならないのか詳しく解説いたします。


糖尿病と癌は、生活習慣病の一種であることから共通する危険因子も多く、糖尿病患者さんは癌にかかりやすいと言われています。
そこで、糖尿病だと癌リスクが高くなる理由や、糖尿病と癌を予防する生活習慣についてお伝えします。

日本人の癌の発症

世界的に見ても日本人の癌を発症する率はとても高くなっています。発展途上国であればがんの早期発見や治療の遅れ技術不足などは仕方のないことですが、先進国な日本においては矛盾さが感じられることでしょう。

欧米の食事よりも日本食はヘルシーで健康的な食事という印象がありますが、癌になる確率は欧米では減少傾向にあるといいます。
日本では癌と診断される人は2人に1人、そのうち癌が原因で死亡する人は3人に1人です。

高齢化が加速する日本だから癌の発症も増えて当然と考える方もいるかもしれませんが、実はこういった側面には糖尿病になる人が増えたからという理由も絡んでいます。

癌と診断された人のうち6人に1人が糖尿病であり、糖尿病を持っている人は糖尿病でない人の2倍近くのリスクを抱えるということがあげられています。

糖尿病と癌の関係はここにあった!

糖尿病と癌はそれぞれ大きな病気であり、医療が発達して治療やコントロールもある程度は可能ではありますが、衝撃的な病気です。この二つをつなげて考えることはあまりされていませんでしたが、はっきりとした根拠は解明されてはいないものの、現代では深い関りがあるとして重要視されるようになりました。
糖尿病が癌を引き起こす原因はいくつかあげられます。

高インスリン血症

食べた糖質をエネルギーとして必要な部分へ分配や処理をするのが膵臓から分泌されるホルモンのインスリンです。
血液内の血糖値が多くなったとしてもある程度の量であればインスリンも通常通り働き、膵臓の負担もそれほど多くならないのですが、過剰な高血糖による過剰なインスリン分泌では製造工場の膵臓も疲れて故障してしまいますし、高血糖がインスリンの作用を受け取る側にも支障を来たします。

これが糖尿病のメカニズムとなるわけですが、人の体にはダメな機能を補うようなシステムが備わっています。インスリンが効きづらくなると高血糖状態が続き、インスリンはもっと分泌しようと働き、返って血液中にはインスリン量が多くなる「高インスリン血症」になる場合が少なくありません。

またそれと同時にインスリン不足を補おうと、インスリンと同じような構造や働きをもつIGF-I(インスリン様成長因子1)が生じるとされています。この物質が癌細胞の発達を助けている可能性があるということで、注視されるようになってきています。

生活習慣

2型糖尿病では、偏食や過食、過剰な飲酒、喫煙、運動不足など、良くない生活習慣の積み重ねが原因となって発症するものです。糖尿病に発展するとともにその生活スタイルがそもそも癌につながる道なりとなります。
欧米人と比べて日本人の体質はインスリンの分泌が少ないといわれます。
体の基礎が違うところに欧米とおなじような食生活や野菜不足、運動不足とリスクが重なることで糖尿病にも癌にもつながりやすいことになります。

高血糖自体が起こす慢性の炎症

高血糖によって血液内の感染を防ぐ成分がうまく働かなくなり、免疫力が低下します。通常よりも感染しやすい状況になります。
肝臓がウイルスに感染すると肝炎となり、その肝炎が進行することで肝硬変や肝臓癌となります。

また胃癌はピロリ菌に感染することで発症する率が高くなるとされています。こういった感染が原因で起こる癌がいくつかあることと、逆に体のどこかが感染することでインスリンの効きを悪くし、血糖を上昇させるという悪循環を及ぼすことにもなります。

アディポネクチン減少

最近では抗がん剤をはじめとした癌治療に利用されている「アディポネクチン」という成分があります。これは私たちの脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンのひとつで、糖尿病や動脈硬化を防ぐ効力があるとされています。

このアディポネクチンの分泌には特徴があり、脂肪量が減少すると分泌量が増加し、肥満細胞が増えると、分泌量が減少するというものです。
2型糖尿病の原因として肥満を指摘される人では、アディポネクチンの分泌が抑制され癌細胞が増える力をも減らしていることになります。

癌予防にはこの2つ

糖尿病のための生活習慣改善が癌予防!

癌は流行病ではありません。個人の体質や遺伝を除くと生活習慣が作り出すものです。
糖尿病をかかえていなくても、不摂生な食事や運動不足、肥満などが大きな原因となります。

糖尿病において血糖コントロールをベースとした生活習慣の改善は、そのまま癌予防となることなのです。
血糖コントロールを目指した食事、運動、感染症への注意、禁煙やアルコールの制限、肥満解消などを常に意識しながら適正生活を送ることが大切です。

癌とのつながりがあるという意識と検診

糖尿病の血糖値が下がらない裏には膵臓癌が隠れていることが少なくありません。
もしも糖尿病と癌がつながりを持たないと考えていたり、癌と関連性のある自身の症状を無視してしまうと癌は容赦なく進行することになります。

糖尿病だけでもコントロールすることや、合併症にも気づかいながらと大変なのに、癌のことまでと腹立たしく思う方も多いと思います。しかし癌は早期に発見できると治癒する病気です。糖尿病と癌には、こうしたつながりがあることを認識することでがんの早期発見につながります。事実に向かい合うことや、変だなと感じた時の受診、予防としての癌検診を受けることが快適な生活を送るためのひとつのキーポイントであり、重要なことなんだと心に留めておきましょう。

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