2023年9月25日

子供の糖尿病。小児糖尿病治療のすすめ

糖尿病には1型2型とありますが、2型糖尿病は、大人だけの病気ではないのです。 実は子供でも糖尿病と診断されることがあります。

糖尿病は、おとなの病気と考えられがちですが、子どもにも起こります。
詳しく見ていきましょう。

小児(子ども)の糖尿病とは

おとなに多くみられる糖尿病は、インスリンの分泌のしかたが悪くなったり、あるいはインスリンの効き方が悪くなるタイプ(2型糖尿病)ですが、最近は、この型が中学生や高校生にも多く発見されています。
 ふつう小児糖尿病という場合には、乳幼児にもみられ、10歳から15歳の間に発病年齢のピークがある1型糖尿病のことをさしています。

1型糖尿病はむしろ子供に多く発症される病気です。
しかし最近では2型糖尿病も子供でも多くみられるようになってきたようです。

それではどのようなことが原因なのでしょう

発症の原因について

以前は、小児糖尿病は遺伝性の病気であると考えられていた時代もありました。しかし、現在では、患者さんの両親や兄弟に糖尿病が多くみられるのは、2型糖尿病の場合であり、1型糖尿病で家族に糖尿病のみられるのは、むしろ少ないことが知られています。

1型糖尿病

1型糖尿病の原因は子どもでも大人でも変わらず、膵臓のβ(ベータ)細胞の破壊によるインスリン分泌の絶対的な不足によります。β細胞の破壊原因には自己免疫機序(仕組み)とそれ以外のものが考えられます。
 それ以外の原因は、膵臓特異的自己抗体(すいぞうとくいてきじここうたい)が発症時に検出されない場合です。これは、ある種のウイルス感染や牛乳哺育が原因であるように報告されたこともありますが、確定に至ってはいません。ウイルス感染が直接1型糖尿病を発症する(他人に感染するという意味)のではなく、感染後の免疫の過剰反応とか、ウイルスの蛋白質の一部を自己抗原と認識してしまうために、自己免疫機序によるβ細胞の破壊が起こると考えられています。
 最近、劇症タイプで発症する1型糖尿病が注目を集めていますが、この病型は子どもには極端に少ないものです。

2型糖尿病

子どもの2型糖尿病の原因は大人の2型糖尿病の発症原因と同じく、インスリンの分泌不全とインスリン抵抗性が考えられます。もともと日本人は欧米人に比べてやせ型で、農耕民族であるためにインスリンの分泌予備能力は欧米人にくらべて劣っています。この状態で高カロリー、高脂肪食をとっていると、血糖の上昇が起こりやすいと考えられます。
 一方、筋肉や脂肪組織など糖を消費する組織(末梢組織)におけるインスリン作用の劣化(インスリン抵抗性という)も2型糖尿病の原因となります。多くのエネルギーがなくても末梢組織の活動性を保つことができる体質になっていると考えられます。2つの機序とも遺伝的に制御されているので、2型糖尿病は親から子へ遺伝するといわれています。

糖尿病の診断は?

学会が策定した糖尿病の診断基準は以下の通りです。

臨床診断:

1)初回検査で、(1)空腹時血糖値≧126 mg/dl、(2) 75 gOGTT2 時間値≧200 mg/dl、(3)随時血糖値≧200 mg/dl、(4)HbA1c(NGSP)≧6.5 % のうちいずれかを認めた場合は、「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。
また、血糖値とHbA1c が同一採血で糖尿病型を示すこと((1)~(3)のいずれかと(4))が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断してよい。

2)血糖値が糖尿病型((1)~(3)のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
・糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
・確実な糖尿病網膜症の存在
糖尿病の種類は大きく2つ!(図2)

子供の症状check

1 のどがとてもかわいているようで、水やジュースを大量に飲みますか
はい
いいえ
2 以前より尿が非常に多くなりましたか
はい
いいえ
3 できものがなかなか治りませんか
はい
いいえ
4 食が細くないのにやせていますか
はい
いいえ
5 いつもおなかがすいているようですか
はい
いいえ
6 家族に糖尿病患者がいますか
はい
いいえ
7 太っていますか
はい
いいえ

症状・合併症

どちらの糖尿病も血液中の糖が多くなるため、以下のような症状が出ます。ただ、はっきりした自覚症状が出ない場合もあり、症状が出た時点では進行している可能性もあります。
・のどがかわき、水やジュースを多量に飲む
・尿が通常より多い
・からだがだるく、元気がない
・食べているのに体重が減少する
・できものがなかなか治らない

1型糖尿病では最終的にインスリンがなくなりますので、病気に気がつかずにいると意識障害をともなう重大な状況に陥り、生命が危うくなることがあります。

2型糖尿病では、初期の段階では自覚症状がまずありませんから、そのまま放置することがほとんどです。健康診断などでの定期的な血糖のチェックが大切です。血糖値をコントロールせずに高血糖の状態を長く続けると、血管系を中心にさまざまな臓器・部位に合併症が起きてきます。とりわけ重大な合併症は、目、腎臓、神経に起き、大変な不自由と命の危険をともなうことにもなります。

治療・予防

1型糖尿病はインスリンが極端に少ないので、食事量や健康状態などに応じ適切な量のインスリンを自分で注射して補給しなければなりません。とくに子どもの場合は、成長に必要な栄養をきちんととることも大切です。学校との連携、将来への不安を取り除くこころのケアも必要です。

2型糖尿病では、インスリンをつくる力が残っていますので、食事療法、運動療法を治療の基本にします。場合によっては内服薬を併用して血糖値をコントロールします。さらに症状が進んでいる場合は、インスリンの自己注射をしなければなりません。患児自身や家族の糖尿病に対する正しい理解や、医師との密接な連携が、治療効果を上げ、合併症の予防つながります。

2型糖尿病は予防が大切です。肥満の解消と、過食や脂肪の過剰摂取を避け、定期的に適度な運動を心がけましょう。

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