痛風、なぜこんなに痛い!原因や予防は?

痛風、なぜこんなに痛い!原因や予防は?

痛風は贅沢病などといわれたこともありますが、食べ物ばかりが原因ではありません。そもそも痛風とはどんな仕組みで起きるのでしょうか。痛風は誰にでも発症する可能性があります。痛風の基礎から予防まで、しっかりと知識を持っておきましょう。


痛風は通常30~50代の男性に多く見られ、国内では約60万~70万人の罹患者がいると言われます。男性に多いとされていた理由には性ホルモンの関係がありますが、他に社会生活の違いも一つとされていました。しかし最近では女性の社会進出も目立つようになり、独身主義の方も多くなってきたため食生活をはじめとした生活内容が男女に差が少なくなってきました。こういったことからも近年では女性の痛風罹患者も増えてきています。
自分には関係なさそうな稀な病気に思われますが、誰にでも十分に起こりうる身近な病気ですので、病気に近寄らない生活を送るためにも、痛風の知識を身につけましょう。

痛風とは何?どんな症状?

血液中の尿酸という物質が増えることで、やがては塊(結晶)となって関節部に留まり、炎症を起こすものです。
血液中の尿酸は7.0mg/dlを基準に高低が決められますが、値だけが上昇したものは高尿酸血症といい、炎症や痛みが生じるようになると痛風というように呼び方が変化します。

そもそも尿酸とは何か

尿酸は常時体の中に存在し、尿酸の原料となっているものがプリン体と呼ばれるものです。
プリン体とは体の新陳代謝が起こることで放出されたり、筋肉や神経伝達に使われる栄養分に含まれています。そのプリン体は肝臓で分解され不要なカスとなったものが尿酸となります。
体内の尿酸を10とすると食べ物に含まれるプリン体から作られた尿酸は2、体内で作られたプリン体から成る尿酸が8を占めます。

痛風の症状とはどんなものか

結晶は針のような形状をしているため炎症も痛みも起こします。ほとんどの場合、足の親指のつけ根に痛みが生じますが、その痛みの度合いはかなり強く、耐えがたい痛みともいわれます。また前兆などはほとんどなく突然に現れる痛みは、1週間前後持続し、自然に消失します。

痛みが生じてから1~2時間以内には足の指の関節から、足の甲までも腫脹が見られて、何かに触れなくとも痛み、歩行に支障を来たす程度ともなります。

痛みが発生するときは、尿酸値がピークに達しているとは限らず、値が極端に低くなったり高くなったりと変動があった場合や、血圧が低くなる就寝中、または汗をかいて体内の水分量が減る夏などに頻発することが多いといわれます。

痛風の原因はほとんどが生活習慣にあり

肝臓でプリン体が分解されて生じた尿酸は通常は尿や便として排泄されることでINとOUTのバランスが保たれます。しかし何らかの原因で体内に蓄積された尿酸が増えてしまうことが原因で生じるのが痛風です。
尿酸を増やしてしまう原因としてはいくつかあげられます。

遺伝

この遺伝子であるという絶対的な確定はされていませんが、痛風患者さんの80%に共通した特定の遺伝子が見られると言われます。
痛風を起こす遺伝子というよりは、尿酸を処理する運搬機能や、排泄する機能に異変を起こす作用が強く、それに生活習慣からのリスクが加わって痛風になりやすいということです。

食生活

プリン体を多く含んでいる、肉類や干した海産物をより多く摂取する。
また尿酸を増やさない野菜や乳製品を食べない。アンバランスな食生活が痛風へのリスクを高めます。

プリン体を多く含んでいる、肉類や干した海産物をより多く摂取する。
また尿酸を増やさない野菜や乳製品を食べない。アンバランスな食生活が痛風へのリスクを高めます。

飲酒

プリン体は主にビールに多く含まれています。もちろんビールの多飲は原因の一つになりますが、アルコールを分解する時には尿酸が産生されてしまいます。ということからも、ビールに限らず、アルコールそのものがリスクとなるわけです。

運動不足や肥満

肥満度が高い人は、より一層のリスクを抱え、運動不足が肥満に近づく原因になります。
反対に無酸素運動などの激しい運動も、体内の尿酸が多く作られるという仕組みがありますが、使い切れる量であればいいのですが、残ってしまうと血液中で結晶となる性質もあります。

ストレス

ストレスによっても尿酸値が上昇するという実験結果が出ています。
ストレスがたまると、それは体にとっては悪いものという危険信号が発信されます。
次の段階では体を防御するため、エネルギーの燃焼が高まり尿酸が産生されるのではないかと言われています。

その他

腎臓の機能が低下したり、血液に関わる病気、薬剤などでも尿酸値が上昇するケースがあります。

痛風の薬は慎重に!

痛風の内服薬はいくつかの種類がありますが、いずれも尿酸を下げるお薬になります。
尿酸は常に体内で作られるので、作られる量を抑える。もう一つは尿酸を排泄させやすくする作用を担います。

しかし薬を飲み始めることで尿酸が固まってできた結晶が一気に溶けてしまい、痛みが発生する可能性があるため、薬の量は慎重に調整されます。
治療のベースはゆっくりと着実に軽快させていくというものです。

痛風の痛みの発作が起きているときは、尿酸値が極端に変動すると、より一層痛みが増すことになりますので、内服治療を開始できません。すでに飲み続けている方では、いつもと同じ内服条件を守って継続することになります。

痛みがある発作時は病院からは鎮痛剤が処方されますが、病院に行かず市販薬を購入しようとする場合には、アスピリン(アセチルサリチル酸)は必ず避けましょう。
尿酸の排泄を抑える作用があるため、よけいに痛みが強くなると言われます。

痛風と糖尿病はベースが一緒

痛風は日常生活習慣がきっかけで生じるものが多く、糖尿病も2型に関しては生活習慣に原因が多いと知られています。痛風と糖尿病の発症原因には食生活や運動不足などの共通するキーワードが存在することになります。ここから考えても、どちらか一方の病気を発症することで、もう一方の病気も診断される可能性が高くなり、十分に同時進行があり得るということです。

また糖尿病が進行していくと、動脈硬化、腎臓の機能低下となり、尿酸の排泄力が低下することになっていきます。
糖尿病の血糖コントロールのために行う運動や食生活は、そのまま痛風の予防とも言えるでしょう。

痛風の予防は生活習慣のさじ加減がポイント

▪食事内容
食事にもプリン体は含まれていますので、できるだけプリン体を多く含む肉類、干物類、魚の内臓などは避けましょう。
尿酸値を下げる食品は、野菜、芋類、果物を積極的に摂取し、何よりも過食しないように気を付けることが重要です。

▪飲水
1日に排泄する尿は2リットルが目標です。他に飲水制限が必要な疾患がない場合には、水分を多く摂ることで、尿酸を排泄させるようにしましょう。

▪運動
ダッシュで走るような激しい運動は無酸素運動となり、つくり出されたプリン体が消化しきられずに尿酸値が上がってしまいます。だからといって運動しなければ、肥満の原因になります。ウォーキングや、ラジオ体操などちょっと苦しいかなと思う程度の有酸素運動を毎日30分程度続けることが重要です。

▪アルコール
プリン体を多く含んでいるビールはもちろんのこと、アルコールそのものを摂取することがよくありません。できるだけ飲まないことが一番の良法です。

▪ストレス
アメリカの医師の研究でも、ストレスのためやすい人は痛風になりやすいという結果がでています。
責任感が強く仕事などでは野心家、いつもイライラする、せっかちだなどという性格の方は、ストレスをためやすいため、ひとつのリスクになると言われます。
自分なりの発散方法を見つけ、リラックスを心がけましょう。

痛風発作は膝にも現れる

足の親指の関節だけに痛みが生じるものではありません。関節全てに生じる可能性はあります。膝関節に痛みが出るケースは少なくありません。しかし足の親指だけと思っていると、膝に痛みや腫れが起きた時には、違う疾患だと自己判断においても誤診してしまいがちです。

膝に痛みが出る場合は、同時に他の関節にも痛みが出たり、両膝に生じたりすることがないのが痛風発作の特徴です。

また足の指に痛みがあった方が、膝に痛みが出たという場合では痛風が悪化している場合が多いため、放置している、または薬を休んでいるという場合はすぐにきちんとした治療が必要となってきます。

痛風は痛みさえ治まればと考え、放置して自然に治癒する病気ではありません。
尿酸値を測定し、日常生活の改善や内服の管理をしっかり行っていきましょう。

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