透析患者のかゆみ原因・対策!!

透析患者のかゆみ原因・対策!!

透析患者さんのかゆみはつらいものがあります。健康な人からみれば痒みなんて我慢しなさいよ。と思うかもしれません。しかし透析患者さんが感じる痒みは酷い人では血が出るほど掻きむしってしまったり、睡眠障害によって不眠症になる方までいます。ではを抑えるにはどうすればいいのでしょうか。


かゆみはなんで起こるの?

体内に毒素がたまってそれがかゆみに繋がる。とよく耳にしますが、実は透析患者さんのかゆみの原因はいくつもあります。
これらのうち体内に溜まってかゆみの原因となる尿毒素やリン、カルシウムなどのほとんどは透析によって除去されます。
しかしいくら透析をしてもなかなか治らない痒みがあります。その主な原因となるのは「肌の乾燥」や「痒みをコントロールする体内物質のバランス異常」が考えられます。

透析患者さんの痒みの原因

●皮膚の乾燥(乾燥肌)
●毒素(尿毒素)が体内に溜まる
●血液中のカルシウムやリンが溜まる
●血液中の副甲状腺ホルモンの濃度が高くなる(二次性副甲状腺機能亢進症)
●透析に使用される薬剤やダイアライザーの影響
●痒みを制御する体内物質のバランス異常

体内物質のバランス異常!?

私たちの体の中ではベータインドルフィンという痒みを引き起こす体内物質が作られておおり、このベータインドルフィンが増えることによって痒みを生じます。
一方体内にはダイノルフィンという痒みを抑える物質も作られており、このベータインドルフィンとダイノルフィンのバランスが崩れることによって痒みを感じます。
現在は痒みを抑える物質、ダイノルフィンとよく似た働きをする内服薬が透析患者さんの痒みの治療薬があります。

皮膚が乾燥するとなぜ痒くなるの?

皮膚の一番外側は角質細胞がレンガのように積み重なった各層と呼ばれる構造をしています。
この各層が皮膚のバリア機能の役目を果たし、皮膚の潤いを保ったり、外界の刺激から身体を守ったりしています。
しかし、各層の水分が減り、皮膚が乾燥すると、レンガ構造が壊れていきます。
また痒みを伝える神経が通常よりも表面にむき出しになってしまうことも痒みにつながります。

●皮膚に保湿が重要です。

乾燥肌が原因の痒みはスキンケアが効果的です。保湿クリームなどを塗ることで皮膚のバリア機能を補強してくれて、外界からの刺激で起こるかゆみを軽減することができます。
バリア機能の回復には2週間以上かかる為、スキンケアは続けることが大切です。

●保湿剤の作用

保湿剤には主に二つの作用があります。
一つは角層を保護する作用、もう一つは保湿成分を補って乾燥を防ぐ作用です。
このほかに、保湿剤には伸びていた痒みを感じる神経をもとに戻す作用もあります。
かゆみは乾燥しやすい場所に起こりやすいので。このような場所は特に意識してスキンケアに取り組みましょう。

●保湿剤の上手な塗り方

まず、清潔な手に保湿剤をとり、塗る場所の数か所に置きます。手のひら全体で優しく薄く延ばすように塗ることが大切です。
しわに沿って塗ると皮膚に浸透しやすくなります。

●複数の薬を塗るときはどうすればいいの?

湿疹がある場合には、まずステロイド外用剤を塗って湿疹を治します。
湿疹が治ってから保湿剤を塗るようにするとよいでしょう。

どうしても痒みが抑えられない場合はどうすればいいの?
軽く叩く、さするなど皮膚を傷つけないような掻き方で気を休めましょう。掻くことで痒みが悪化することがあるので、冷やしたり、他のことをするなど、気を紛らわすような工夫することも効果的です。

お風呂の入り方も工夫する?

痒みを悪化させる生活習慣の中で、最も多いのは誤った入浴方法です。
かゆみを予防し、軽減するためには、入浴方法を中心として日常生活で痒み対策をすることが重要です。

●適度な皮脂は肌の潤いを守るため、皮脂が溶け出してしまう熱い湯や長湯は避けましょう。

●ごしごし洗いは皮膚表面のバリアを壊し、石鹸の使い過ぎは肌に必要な潤いまで奪ってしまうため、かゆみが起きやすくなります。石鹸の使用は控えめに、優しく洗いましょう。

●お風呂上りは皮膚からどんどん水分が蒸発します。お風呂から上がったら数分以内に保湿剤を塗りましょう。


毎日の生活の工夫がかゆみ予防や軽減に役立ちます。できることから少しずつはじめてみましょう。

どうでしたか?

かゆみは透析患者さんによくみられる合併症ではありますが、一般的に痛みと比べると痒みは軽く見られがちです。患者さんも気遣って「かゆみくらいで・・・」と思いこんでしまったりする人もいます。透析患者さんいとっての痒みというのは、睡眠障害などにもつながりますし、日々の生活の質の低下にもつながる恐ろしいものであります。
この記事をきっかけに痒みに対しての相談など看護師さんや主治医へためらわずに相談して
頂けると良いと思います(*´ω`*)

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この記事のライター

総合病院で臨床工学技士をしています。

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