2023年12月2日

糖尿病がある人では特に注意!夏バテのあれこれ

なぜ夏バテになるのか、知っているようで意外に知らないのではないでしょうか。糖尿病のある人は夏バテしやすい要因があるといいます。体の不調は糖尿病のせいだけではないかもしれません。 夏バテの詳細を知り体の保護につなげましょう。

日本は高温多湿が特徴的な夏であるため、夏バテしやすいといわれます。
夏バテの「バテ」とは疲れ果てるの「果てる」がバテルとなった、もしくは馬が疲れて足元がバタバタになるという様から「バテル」になったという言葉の由来があります。どちらも相当な疲れを意味することには間違いありません。
この夏バテ、どんな人でも体験する可能性はあり、予防や対策を何となくでも日常的に行っているでしょうが、糖尿病を発症している人ではさらに注意が必要となります。その詳細を知るとともに夏バテについて改めて見直してみましょう。

知っているようで知らない夏バテとは

夏バテの原因

夏バテとは夏の湿度や暑さが持続することで体調が悪くなることの総称として使用されます。夏バテの大元は自律神経がバランスを崩し、それに伴って体のあちこちに故障が起きてきます。

外では気温は30℃を超え、湿度も60%以上の環境の中、日傘や帽子、水分補給など私たちはさまざまな対策をとり暑さから回避しようとしますが、かなりの体力が消耗されています。またウチワや扇風機時代とは一変した現代では、空調システムが整っているため屋外から屋内に移動したときには体温の急激な変化が起こることで神経がストレスを受けたり疲労することになります。

夏バテの代表的な症状として食欲低下がありますが、これは飲水が大きく関わっています。食べ物を消化するために酵素という成分が存在しますが、この酵素が元気に働ける環境は37℃といわれます。冷たい飲み物ばかり飲むことで酵素の働きが弱まってしまう、飲水量が多くなることで胃酸が薄くなってしまい消化できずに胃に負担がかかるなどの原因で起こることです。

自律神経ってどんな働き?

自律神経は体の末梢の神経で交感神経と副交感神経の二つから成り立つもので自分ではコントロールできるものではありませんが、体の活動につながるはたらきをします。
また二つの神経は相反する働きを担います。交感神経は主に活動させる、緊張させるといったはたらきであり、副交感神経は体を休める、リラックスさせるといった働きになります。

私たちが暑さを感じると血管をコントロールしながら、汗を流すことで体内の温度を下げようとするのが自律神経です。しかし冷房のある場所とない場所のギャップが激しく、それにいちいち対応することになれば自律神経にとっては疲労困ぱい状態となり二つのバランスが崩れてしまうことになります。

交感神経、副交感神経がアンバランスになると睡眠を妨げ、内臓の動きも妨げるなど体にとっては何一つ良いことは生まれなくなります。

夏バテのチェック

症状から判断

自分は大丈夫、夏バテなんかとは縁がないなどと思っている方でも、気が付かないだけであって夏バテの兆候が出ているかもしれません。自分の体の調子と夏バテの症状を比較しながら自己判断して見ましょう。

・眠れない
・体が何となくだるい
・やる気が起きない
・食欲がない
・胃がスッキリしない
・体重が減ってきた
・吐き気がある
・頭痛がある
・めまいや立ちくらみがある
・下痢している

生活習慣から判断

・食事を抜くことが増える
・食事メニューはあっさりしたものや冷たいものが多い
・ジュースやアイスクリームを食べることが多い
・ビールをはじめ、アルコールをたくさん飲む
・浴槽に浸からずシャワー浴が多い
・水分摂取が少ない
・エアコンを常時使用する
・運動はしない

糖尿病とはどんな関係があるのか

体内の水分が不足する

糖尿病では血液内の血糖値が上がることが一つの特徴です。高血糖をキャッチした体はより多く尿と一緒に糖分も排泄しようと働くため必然的に尿量が多くなります。
そこへ夏の暑さによって汗をかくことが多くなると体の中の水分は他の季節に比べて不足がちになり、脱水となると身体の循環機能が悪くなり自律神経にも悪影響を及ぼしてしまいます。

神経障害の合併によって発汗機能が低下

血液内に糖分が多くなることで神経機能を鈍くさせてしまうことが糖尿病の合併症のひとつです。痛い、かゆいなどの感覚は全て神経が働いてこそ自覚症状が起こり、それによる体の防御反応が起きることになりますが、こういった伝える反応が鈍くなると「暑い」という認識も鈍くなり水を飲むという行動をとらないため、脱水となります。
また自律神経も伝える能力が低下してしまうと汗を出し体温を調節するという機能が鈍くなってしまいます。

高血圧を合併して

糖尿病を発症している半数以上の人が高血圧だといわれます。汗をかくということは、水分と同時に塩分も発散していることになります。高血圧で塩分制限していると体の電解質(ミネラル)バランスを崩しやすくなり、脱水や体の機能を弱めてしまいます。

夏バテ予防

水分は少しずつ、回数を多くしながら補給する

暑い時にはいつもより多めに摂るように、またスポーツドリンクなどミネラルバランスをはかっている飲み物も取り入れることが必要です。

食事は抜かずバランスよく摂る

暑い時には食欲は減退しますが、少しずつでもいいので規則正しく摂るようにしましょう。
食事内容にはタンパク質やビタミンを多く取りいれ、温かいものや常温のものを意識して摂ることが良いでしょう。

エアコンを上手に使う

就寝時はタイマー調整する、温度をあまり低めしない、エアコンの直下は避けるなど工夫が必要となってきます。

適度な運動は続ける

体の新陳代謝を活発にすることも自律神経を保護することになりますので、負担にならない程度に、比較的涼しい時間帯にウォーキングなど行うのが良いでしょう。

夏バテは真夏だけではない

夏バテは真夏の高気温時だけに起こるものではありません。季節の変わり目の気温の変化や低気圧時などは同じように夏バテの症状に注意しなければなりません。
夏バテはこういったことが原因であると認識し、自分で自分の体調を確認していくことが大切であり、休養と食事には十分に気を使っていくようにしましょう。

関連するタグ
関連する記事
最新記事