糖尿病と骨粗しょう症。骨にも影響する仕組み。

糖尿病と骨粗しょう症。骨にも影響する仕組み。

骨粗しょう症は年齢が増すごとに注意していかなければならない病気です。しかし糖尿病とも密接な関係がありプラスアルファのリスクになるといいます。 骨粗しょう症の詳しい内容から糖尿病との関係を徹底解析いたします。


高齢化社会と言われる今となっては、年齢に順応して生じる病気はいくつもあります。その中の一つに骨粗しょう症(こつそしょうしょう)という病気があります。
骨粗しょう症と診断された人は国内で1000万人以上、男性よりの女性に多く60代以上の女性の3人に1人にかかっているといわれます。
実はこの骨粗しょう症になりやすい原因として糖尿病を持っている人が挙げられます。
骨粗しょう症とはどんな病気なのか、どういった理由で糖尿病がリスクとなるのか、詳しく見ていくことにしましょう。

骨粗鬆症ってどんな病気?

骨のしくみ

骨はカルシュウムとコラーゲン(タンパク質)で作られ、その中には血管が走り細胞が骨の働きを担います。
骨の強さを図る検査に骨密度検査というものがあります。
この骨密度が18歳くらいで一番多くなり、その後50歳くらいから低下していきます。

体のエネルギーに関する新陳代謝は聞いたことがあるかと思いますが、実は骨にも新陳代謝が繰り返されています。
何十年も体を維持するには、赤ちゃんの時に作られた同じ骨では無理がありますから、骨も常にメンテナンスを必要として生まれ変わります。骨折した骨は自然につながる現象が、その証拠としての良い例です。

●骨の新陳代謝
① 破骨細胞によって古い骨が壊され、血液とともに運ばれ、破骨細胞とともに消えます。

② 壊された骨に骨芽細胞が付着、コラーゲンを作るメンテナンス作業。

③ さらに血液の中のカルシウムが付着して新しい骨が誕生。

症状

直接的に命を左右する病気ではありませんが、将来寝たきりになりやすい病気の一つです。
骨の硬さと質が低下する病気で、一気に自覚できる症状はなく、ゆっくりとしたスピードで進行していきます。

骨が弱くなると、ちょっとした動作でも体重がかかり過ぎた部分に骨折が生じてしまいます。
若い時の骨折は固定や手術法で改善することがほとんどですが、年齢が重なってからの骨折は致命傷となります。骨の回復もしづらくなり、骨折部位によっては寝たままの生活が続きます。寝たままの時間が長ければ長いほど、力が衰え、立ち上がれなくなってしまうからです。
損傷部が治る時間よりも、筋肉の衰える時間の方が、はるかに速いのが人間の体なのです。

●骨粗しょう症による骨折が起きやすい部位
・背骨
・太ももの骨
・腕の付け根の骨
・手首の骨

●骨粗しょう症チェック!
☑以前より2cm以上身長が縮んだ
☑姿勢が悪く、背中が曲がってきた
☑腰や背中に重苦しい痛みがある
☑重いものを持った時、立ち上がりの時に腰や背中が痛い

糖尿病では骨粗しょう症になりやすい、その原因は?

骨粗鬆症は2種類に分けられます。
一つは加齢や閉経などによる原発性もの。
骨粗しょう症は女性に多く発症する病気というのも、骨のカルシウムが失われないようにする働きを持つ女性ホルモンが、閉経によって減ってしまうからなのです。

そしてもう一つは持病からつながる骨粗しょう症です。
関連する病気はたくさんありますが、そのうち糖尿病を持っている人が骨粗しょう症になりやすいという理由をご説明します。

骨芽細胞が作れない

骨芽細胞の働きは前述したように、新しい骨を作り出す主役的存在です。この細胞にはインスリンを取り込むシステムが付属されているため、普段はインスリンによって骨芽細胞を増殖させ、骨の製造任務にあたるのですが、糖尿病によってインスリンの分泌が少なくなっているので、骨を作る量も減ってしまうということになります。

骨に必要なミネラルが排泄される

ミネラルというのは、マグネシウムやカルシウム、カリウム、他にもまだまだありますが、骨を作る働きに大きく関与するものがカルシウムやマグネシウムというものです。
血液を腎臓でろ過することで不要なものだけ尿として排泄しますが、糖尿病では高血糖を防ごうと糖を排泄させるために、尿の量が必然的に多くなります。
その時にミネラルが一緒に尿中に排泄されてしまい、ミネラル不足となるわけです。
カルシウムは直接骨の成分ですし、マグネシウムは骨の代謝を促す働きを持っています。
両方が不足するとによって、当然のように新しい骨生成ができなくなり、骨粗しょう症の危険因子となってしまいます。

ビタミンD不足

活性型ビタミンDというのは通常、インスリンの力によって腎臓で作られます。
活性型ビタミンDの働きは骨芽細胞の働きを促進させること、もう一つはカルシウムの吸収を助けることです。
糖尿病でインスリン不足になってしまうと活性型ビタミンDによる二つの機能が抑制されますので骨粗しょう症に近づいてしまいます。

骨粗しょう症にならない、悪化させない対策とは…

食事療法

・糖尿病治療食に沿った食事はもちろん第一に必要なことです。しかし、ダイエットや糖質、カロリーに気を遣いすぎて栄養量が極端に減少してしまうと、普通にカルシウムが低下してしまいますので、規定内の栄養量はしっかり摂取することが大切です。

・カルシウムは1日600ミリグラムを目標に摂取しましょう。またビタミンDも意識的に多く摂るようにすることも大切です。
味付けが濃くなると血液中の塩分量(ナトリウム)が増え、カルシウムを尿中に排泄させやすくなるので、塩分も控える考慮が必要です。

日光を浴びながら運動

紫外線は一般的に皮膚などに悪影響を与えるものとして認識が高いのですが、日光にはビタミンDを作る効果があります。
食べて摂る方法のほかに、太陽の下で運動をすることのよって、皮膚でビタミンDが合成されるのですから、糖尿病治療に骨粗しょう症治療が加えられたと同じことですね。
ビタミンDは特殊なビタミンで、取り込まれた後からは肝臓や腎臓に移行し、活性型ビタミンDに変わって、骨の産生に寄与していきます。

骨の管理と転ばぬ管理が必要!

骨粗しょう症は糖尿病に関わらず女性ならば特に注意していかなければならない病気です。
骨粗しょう症は、体のあちこちが痛くなるというよりは、転んでしまった結果として、日常生活が普通に送れない、寝たままの生活となることが心配される病気です。
骨を衰退させないばかりではなく、転倒しないように日々気を付けることも大切となってきます。

この記事のライター

20年以上看護師として病院勤務していました。
少しでもお役に立てる情報をお伝えしたいと思っています。

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