自己管理が重要!透析患者さんに必要な血液データについて

自己管理が重要!透析患者さんに必要な血液データについて

よりよい透析生活を送るためには、自己管理が非常に重要になってきます。 スッタフだけでなく患者さん自身も自分の身体の情報をしっかり知ることが重要になってきます。


検査データの読み方について

データをみて自分の普段の食事に塩分を摂りすぎている、もう少しだけ食べても問題なさそうだ。など食事の幅も広がっていきます。透析と長く付き合っていくためにも、自分の採血データについての意味や正常値を知っておくことは、
合併症を未然に防ぐ意味でも大変重要になってきます。

検査データの読み方を理解しよう!

透析患者さんの血液データは通常の人のデータとは少し違います。
透析患者さんのための血液データの基準値があるので注意しましょう。
また、患者さんの状態や各施設によって基準値が異なる場合がありますので基準値の詳細については主治医にご相談することをお勧めします。

腎臓の機能の検査

●尿素窒素(BUN):基準値60~80mg/dl

タンパク質の摂りすぎで上昇し、足りないと異常に下がりすぎます。
また十分に透析が行えてない場合のときも上昇します。

●クレアチニン(Cr):基準値10~16mg/dl

透析量の目安となりますが、クレアチニンは筋肉内で合成されるため、体格がよく筋肉量の多い人ほど高く、体格による個人差が大きいです。

●尿酸(UA):基準値9mg/dl以下

痛風の原因となる物質です。きちんと透析をしても高すぎる場合は、食事療法、薬物療法が必要となってきます。



電解質

●カリウム(K):基準値5.5meq/l以下

7.5~8.0meq/l以上では心臓が停止することがあり、大変危険な状態になります。果物、生野菜、アーモンドなどを食べ過ぎると上昇します。

●ナトリウム(Na):基準値135~145meq/l

塩分を摂りすぎると、のどが渇いて水分をとるので血液のナトリウム値は上昇しません。
血糖値が高いと低い値を示すことがあります。

●クロール(CL):基準値98~108meq/l

通常、ナトリウムと同一の変化を示しますが、血液が酸性に傾くと上昇します。

血液一般

●ヘモグロビン(Hb):基準値(目標値)10.0~11.0g/dl

赤血球に含まれる成分で、貧血の指標を示します。

●ヘマトクリット(Ht):基準値30~33%

ヘマトクリットは血液中における赤血球の占める割合(%)を表し、貧血の程度を表します。

●赤血球数:基準値270万/mm³以上

貧血の程度を表します。

●白血球数:基準値5000~8500/mm³

白血球の増加は主に感染症の存在を表します。

●血小板数:基準値12~28万/mm³

減少すると出血しやすくなります。

●好酸球:基準値0~7%

アレルギーで増加することがあります。

血清脂質、タンパク質

●総コレステロール(T.C):基準値230mg/dl以下

動脈硬化の原因になるとされている。食べ過ぎている場合には注意しましょう。
しかし、栄養状態が悪いと逆に下がってしまうことがあります。

●中世脂肪(T.G):基準値200mg/dl以下

動脈硬化と関係があるといわれています。糖分などの甘い物の過剰な摂取は注意しましょう。


●HDLコレステロール:基準値30mg/dl以上

動脈硬化を抑える作用があります、適切なカロリー摂取、糖分、脂肪のバランスが大切です。食物繊維の摂取も有効です。

●アルブミン:基準値4.0g/dl以上

低栄養、肝障害などで低下します。

●B₂ミクログロブリン:基準値20mg/l以下

アミロイド骨関節症の原因物質と考えられています。

●副甲状腺ホルモン:基準値60~240pg/ml

骨のカルシウムを血液の方へ移動させる作用があります。
高すぎると骨がもろくなったり、血液のカルシウム値が高くなりすぎてしまったりします。

●リン(P):基準値3.5~6.0mg/dl

血液のリンの値が高くなると、カルシウム値が低下し、骨折しやすくなります。石灰分の異常沈着(異所性石灰化)も起こります。より良い目標として4.5mg/dl以下に保てるようにすといいでしょう。

●カルシウム(Ca)基準値8.4~1.0mg/dl

高くなりすぎても危険です。筋肉の緊張の低下、痺れ、イライラ感、精神錯乱、幻聴、幻覚などが現れます。

●アルミニウム(AL):基準値10μg/l以下

骨軟化症を起こすことがあります。40μg/l以上ではアルミニウム中毒の危険が出てきます。

●アルカリフォスファターゼ(ALP):基準値80~260単位

骨変化がある場合、検査値が上昇します。肝障害で幹細胞が壊れた場合にも上昇してきます。

肝機能検査

●AST:基準値33単位以下

肝障害で幹細胞が壊れる、検査値が上昇します。

●ALT:基準値35単位以下

肝障害で幹細胞が壊れる、検査値が上昇します。

●アルカリフォスファターゼ(ALP):基準値80~260単位

肝障害で幹細胞が壊れると、検査値が上昇します。骨変化がある場合にも上昇してきます。

●γ-GTP:基準値40単位以下

アルコール性肝障害の目安です。


その他

●フェリチン:基準値100~150ng/ml

貧血の原因として鉄不足がないかをチェックする目的で検査します。
フェリチンは、貯蔵鉄が十分かどうかを表します。


これらの最低限の採血データを知っておくと自分の身体の状態が多少見えてくると思います。
自分自身としっかり向き合っていくことで透析生活も変わってくるのではないでしょうか?
透析は精神的にも体力的にも非常に大変ですが、透析への理解を深めることで苦痛の緩和にもつながってくると思います。
この機会にぜひ自分自身と向き合うために勉強してみてください。

関連する投稿


人工透析中の食事管理。治療中でも毎日楽しく食べたい!

人工透析中の食事管理。治療中でも毎日楽しく食べたい!

人工透析中でも食事管理はとても大切です。特に、水分・タンパク質の管理は重要で、毎食バランス、摂取量を考えなければなりません。大変な食事管理の中でも食は楽しみでもあり、制限などにしばられるとストレスを感じてしまう事も。


透析患者さんの食事。外食での工夫

透析患者さんの食事。外食での工夫

最近では健康を意識したレストランも、コンビニでのお弁当も増えてきました。 それでも透析患者さんにとっては適した食事とはいけません。 食事療法をきちんとするには食品の量や内容など細かく記録するなど手間がかかります。透析患者さんは量に注意しながら食べ方を工夫してみましょう!


腎臓の働き~尿が出来るまで~

腎臓の働き~尿が出来るまで~

腎臓病罹患者は現在29万人と言われます。 もしかしたら、自分が人工透析治療になる可能性もあるかもしれない。その前に身体の仕組み、腎臓が悪くなると尿などどう影響がでてくるのかをしっかり把握しておきましょう


【人工透析】シャントの管理の重要性!

【人工透析】シャントの管理の重要性!

人工透析を行う際に必要となってくるシャントですが、自己管理がずさんでいるとすぐに閉塞、狭窄などとトラブルの原因になります。 透析を長く続ていくためにもシャントの管理は毎日確認しましょう。


腹膜透析とは?メリットとデメリット

腹膜透析とは?メリットとデメリット

腹膜透析は人工透析に比べて、生体適合性がよく、侵襲が少ない。また容易に社会復帰も可能だ。しかし本当にいいことばかりなのか。今回は腹膜透析のメリットとデメリットについて勉強してみましょう。


最新の投稿



糖尿病でも大丈夫!低糖質スイーツが楽しめるお店~関西版~

糖尿病でも大丈夫!低糖質スイーツが楽しめるお店~関西版~

糖尿病だけど美味しいケーキ・スイーツが食べたい!糖質が少なくても上質なスイーツが食べられたら…そんな風に思う方は多いハズ! 関西圏内の美味しい低糖質スイーツ店をご紹介します!


人工透析中の食事管理。治療中でも毎日楽しく食べたい!

人工透析中の食事管理。治療中でも毎日楽しく食べたい!

人工透析中でも食事管理はとても大切です。特に、水分・タンパク質の管理は重要で、毎食バランス、摂取量を考えなければなりません。大変な食事管理の中でも食は楽しみでもあり、制限などにしばられるとストレスを感じてしまう事も。


糖質制限は朝食が肝(キモ)!効果を最大化させる方法

糖質制限は朝食が肝(キモ)!効果を最大化させる方法

糖質制限は、ダイエッターなら一度は試しみたいダイエットですね。朝食を抜くと逆に太りやすくなってしまうのをご存知ですか? 「明日からダイエット」と言っても、1日の最初に食べる食事は朝食なように、糖質制限ダイエットは朝食から大事!糖質制限ダイエットにおける朝ごはんの重要さを見直していきましょう。


糖尿病は心筋梗塞発症リスクを上げる

糖尿病は心筋梗塞発症リスクを上げる

心臓の病気と聞けばすぐに命に関わることと当然のように認識されています。 糖尿病は膵臓に関わる病気であって心筋梗塞とは直接は結び付かないように思われますが、実は大きなかかわりを持っています。 恐ろしい心筋梗塞だからこそ病気を知り、予防を心がけましょう。