腹膜透析とは?メリットとデメリット

腹膜透析とは?メリットとデメリット

腹膜透析は人工透析に比べて、生体適合性がよく、侵襲が少ない。また容易に社会復帰も可能だ。しかし本当にいいことばかりなのか。今回は腹膜透析のメリットとデメリットについて勉強してみましょう。


腹膜透析の原理について

腹膜透析と血液透析の違いは、血液透析はダイアライザーという人口の膜を使い透析を行うのに対して腹膜透析は腹膜という人工ではなく自身の生体の膜を使って透析を行うものである。
透析液を腹腔内に入れて、腹膜を通じて血管、特に腹膜内の毛細血管と腹腔内の透析液の間で物質と水分の交換を行うのである。
透析膜も半透膜であるように腹膜も半透膜であり、低分子物質を選択的に通過させる。腹膜を通して透析を行う際に、①拡散②限外濾過③吸収の三つの行程が同時に行われている。

拡散

この拡散は腹膜透析を行う際にとても重要になってくる。この拡散が尿毒症の原因になる物質を移動させます。
代表的な拡散として、腹膜の毛細血管と腹腔内の透析液の濃度差によって生じる。
例えば、低分子物質の尿素(分子量60)は分子量のより大きいクレアチニン(113)やアルブミン(66000)などと比較して容易に腹膜を通過する。

拡散

腹膜透析での濾過は、主に透析液に入ってるブドウ糖などの浸透圧物質の濃度差によって水分の移動で生じる。腹膜透析液が腹腔内に貯留した直後が最も強く浸透圧差が生じており、時間とともに濾過によってブドウ糖は希釈されて濃度が落ちて、さらにブドウ糖そのものが透析液から血液中に拡散により移動することでさらに低下する。

リンパ管再吸収

実際の腹膜透析による除水量はこの腹膜の毛細血管内の濾過と、このリンパ管再吸収量を引いたものになる。濾過はブドウ糖の血管内への移動に伴い浸透圧の低下が生じ、減少する、しかしながらリンパ管再吸収量は一定である為に、実際に除水量は時間とともに減少する。

腹膜の構造と機能について

腹膜の構造って?

腹膜は腹腔の周りにある漿膜のことを指します。腹膜の面積はほぼ体表面積と等しい面積を持っており、成人では1~2m²の範囲です。そして腹膜の種類は2種類の部分に分けられます。
①臓側腹膜:腸管とその他の部分を被っている部分。
②壁側腹膜:腹腔を被っている部分。
その中でも、臓側腹膜は総腹膜面積の80%を占めてします。そして、総腹膜血流量は50~100ml/minとされています。

腹膜を介した物質も輸送は?

腹膜における物質輸送には6つの壁がある。
①腹膜毛細血管内皮の表面を被う滞留被膜
②毛細血管内皮そのもの
③内皮基底膜
④間質
⑤中皮細胞
⑥腹膜中皮表面を被う滞留被膜であります。

腹膜透析のメリットとデメリットについて。

腹膜透析のメリット!

腹膜透析は長い時間かけた緩やかな透析であり、24時間の持続透析療法である。
そのために腹膜透析ならではの利点がある。

身体的な利点

①心血管に対する負荷と循環動態の安定性である。
24時間を基本とする持続腹膜透析療法ならではの特徴の一つである。
血液透析と比べて循環動態をあまり変動させないことで、血圧の急激な低下、いわゆるショックが少ない。また血液透析の醍醐味であるシャントが必要ないため、心臓への負担も少ない。ゆえに、腹膜透析の方が心血管合併症の発症が少ないことが報告されている。しかし、体液の過剰となるリスクもあるので注意していただきたい。
②B型肝炎やC型肝炎などの感染症の合併症が少ない。
③貧血の合併症が少ない。
④蛋白やカリウム等の食事制限が軽い。
⑤シャントを必要としない。
⑥透析に伴う抗凝固療法を必要としない。
⑦人工膜でなく生体膜なため、生体適合性がよく、アレルギーが少ない。
⑧不均衡症候群や血圧低下などの合併症が少ない。
⑨残存腎機能が人工透析に比べて高い。

社会的な利点

①在宅透析療法であり、月に1~2回の通院で済む。
②週3回4時間の人工透析に比べて時間的な拘束が軽いため、社会復帰がしやすい。
生活の質に及ぼす影響が少ない。

精神的な利点

①自己管理の意識が高まる。
②高齢者において認知症の進行予防にもつながる。

腹膜透析のデメリットは!

腹膜透析のデメリットととしては、長期に伴う腹膜機能の劣化により、長期間の透析の継続が困難なことがある。腹膜透析は5~10年くらいで血液透析へ移行を考える必要がある。また、無理に腹膜透析を継続した場合に腹膜の癒着に伴う被嚢性腹膜硬化症(EPS)の合併症になる可能性が高い。
ほかにも様々な欠点がある。

①長期腹膜透析に伴う腹膜機能の劣化
②長期継続が難しい
③小分子物質の除去効率が良くない
④自己管理に伴う衛生手技が悪い
⑤視力が悪い方や四肢の麻痺がある方には困難
⑥腰痛や脊椎障害のある患者では、注意が必要
⑦糖質の吸収に伴い血糖の上昇や糖尿病の増悪がみられる。
⑧被嚢性腹膜硬化症がみられる
⑨腹膜炎などの腹膜関連合併症がある
⑩高脂血症を合併しやすい
⑪低蛋白血病を合併しやすい。


腹膜透析の利点だけを読むと合併症も少なく、睡眠時間に合わせて透析が行うことがで社会的な面で強いようではあるが、それと同時に危険なデメリットも多くなってくる。
人工透析、腹膜透析互いに様々な特徴がある。どちらを導入するか医師の相談も大切だが、自分自身で下調べを入念にする必要があります。迷っている方はこの機会に勉強してみましょう!

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