糖尿病腎症が怖い!糖尿病の腎機能の衰えを阻止しよう

糖尿病腎症が怖い!糖尿病の腎機能の衰えを阻止しよう

糖尿病腎症は最終的には命にかかわります。高血糖と腎臓について知ることで高血糖の恐ろしさが理解できるはずです。合併症の一つである糖尿病腎症の病態から症状までを理解して、腎機能の衰えを阻止しましょう


糖尿病は、生活習慣もしくは自己免疫異常によって発症しますが、血糖値のコントロールが不良なまま経過すると、やがて合併症という二次的な病気が発生します。

糖尿病には糖尿病腎症、神経障害、網膜症という三大合併症と呼ばれるものがあり、今回はその中でも腎臓機能に異変が起きる糖尿病腎症について見ていきましょう。

糖尿病腎症が発症するしくみ

糖と血管の関係

食べ物を食べたことにより血糖値が上がります。その血糖値を下げようとインスリンというホルモンが膵臓から分泌されるわけですが、糖尿病に罹患している場合は、このホルモンが十分に分泌されません。

すると糖質はいつまでも血管の中に残ってしまいます。
体内をグルグル回っているうちにタンパク質と結合してしまいます。これが固いかたまりとなって血管の壁に蓄積されることになります。

例えば、私たちの肌を固い破片でこすると、もちろん痛いですよね。こういった摩擦が血管内で起きてしまう結果、血管が硬くなったりボロボロの状態になってしまいます。

腎臓の働き

腎臓は尿を作る場所と思っている方も多いでしょうが、実は体内のごみを分別して処理する場所です。その作業をするためにたくさんの毛細血管が集まっています(糸球体)。

腎臓にはコーヒーフィルターのような機能がありますので、血液をろ過して身体に残す電解質をはじめとする必要物質と排泄する尿とにふるい分けます。体液のバランスが保たれるのはこの作業があるからなのです。

糖尿病から腎臓への影響

糖尿病によって高血糖がつづくと、前述したように血管が硬くなっていきます。細い毛細血管がそんな状態になっては救いようがなくなりますね。

糸球体の血管の組織が粗くなって、ろ過機能が次第に低下する。つまり腎臓の役目が果たせなくなるということです。

目が荒くなったフィルターからは、大切な成分がどんどん流出し尿として排泄され、排泄されるべく老廃物は血液に残ってしまう。

この状態を糖尿病腎症といいます。たかが「糖」が腎臓へ与えるダメージというのはとても大きいということです。

糖尿病腎症の病期と自覚症状に至るまで

人が生きるために身体を形成している一つ一つはすべて重要です。しかしその中でも生命維持として特に大きな役割をする臓器があります。その一つが腎臓です。

少々の傷や病気ではすぐには負けません。
その証拠に片方の腎臓が機能停止しても、もう片方が頑張って機能すると生命維持のサイクルには支障をきたしません。

そういうことからも糖尿病腎症になったからと言ってすぐに腎不全とはなりません。

糖尿病腎症の進行にも段階があります。自覚症状にいたるまでは時間がかかりますが、早い時期からならば最悪な状態をいくらでも回避できるのです。

第1期(糖尿病腎症前期)

・尿アルブミン(正常値は30mg/gクレアチニン未満)値は、微量
・タンパク尿は(-)
・腎臓機能は正常または高値

糖尿病腎症としての自覚症状はありません。

第2期(早期腎症期)

・尿アルブミン(正常値は30mg/gクレアチニン)値は、30~299mg/gクレアチニン
・タンパク尿は(-)
・腎臓機能は正常または軽度に低下

微量のアルブミンというタンパク質が漏れてきます。自覚症状はありませんが、徐々に血圧が上がる人が増えてきます。
第1期と同様、糖尿病腎症の進行を抑えられる時期です。

第3期(顕性腎症期)

・尿アルブミン(正常値は30mg/gクレアチニン)値は、300mg/gクレアチニン以上
・タンパク尿は(+)
・腎臓機能は軽度~中等度に低下

腎機能の低下も進み、検査結果上ではアルブミンの排泄が多くなってきます。個人差はありますが、3~5年後程度に第3期に進むケースが多いと言われています。高脂血症の合併が見られたり、人によってはむくみを感じるようになります。
血圧の上昇も著しく、さらに腎症悪化、腎機能の低下が加速するため、糖尿病腎症の悪化により透析導入も視野に入れる時期です。

第4期(腎不全期)

・尿アルブミン、タンパク尿値は問なし
・腎臓機能は高度に低下

糖尿病腎症として透析対象です。
著名な自覚症状となり、むくみ、こわばり、息切れ、嘔気、腹痛など多くの症状が現れます。

第5期(透析療法期)

透析療法中または腎臓移植です。

糖尿病腎症が悪化すると?

高血圧になる

腎臓の機能が低下すると、腎臓内の血流が減少してしまうため、レニンという血圧を上昇させるホルモン分泌が高まり、血圧が上昇します。

また、腎血流は減りますが、ろ過機能が低下するために、ナトリウムと水分が排泄されずに体全体の血流量は増えます。そのため血管がパンパンに膨らんだ状態になるので血圧が上昇します。

皮膚や臓器にむくみが出る

腎臓機能の低下で尿の中にアルブミンが排泄されるようになります。すると全身の血管のタンパク量が減少するので、浸透圧の関係上血管外に水分が引っ張られるようになります。

その結果、胸水、腹水などがたまり、呼吸苦や食欲不振などの症状が出てきます。

貧血になる

血液の成分である赤血球の量が減少すると貧血になります。この赤血球を増やす働きの助けを担うのがエリスロポエチンというホルモンです。

腎臓機能が低下するとこのホルモンの分泌が少なくなるため貧血になります。めまいや倦怠感が増強します。

骨が弱くなる

腎臓で活性型ビタミンDの製造が減少してしまうと、カルシウムを腸から吸収させることができなくなり、骨が弱くなります。骨粗しょう症の発症原因にもなります。

糖尿病腎症にならないための予防対策

糖尿病腎症にならない予防方法は、そのままズバリ血糖値を安定させることです。
糖尿病という言葉だけの理解で、毎日の生活を正さなければ血糖のコントロールがつかず、色々な合併症へと導かれます。

糖尿病の恐ろしさは、血糖の数値ではなく合併症です。特に腎臓は身体の中でも重要な部分です。糖尿病腎症の予防対策は、薬だけでは補えません。日々の食をはじめとした生活習慣です。自己管理と、早期対処が糖尿病腎症から自分を守る方法です。

放置は厳禁!糖尿病の「3大合併症」とは?

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