2023年12月15日

糖尿病の基礎知識・フットケアの重要性を知ろう!

糖尿病患者さんの中には、足に深い傷が出来たり、足が変色して悪臭がしたりする糖尿病足病変という足の病気にかかる人がみられます。 健康な方なら不必要なケアでも、糖尿病患者さんにとっては足の切断にもつながる深刻な問題。手に比べて目にふれる機械の少ない足のケアを見ていきましょう。

糖尿病におけるフットケアの必要性

血糖値のコントロールが上手く行かず、糖尿病を発症し、悪化していくと合併症が起こります。
さらに進んでしまうと、足に潰瘍や壊疽が発症します。

このような、糖尿病を原因とした「足病変」の治療・予防をする「フットケア」が重要視されています。

フットケアという言葉はまだまだ定着はしていませんが、足は体の末端にあるものだからこそ、体の異変をいち早く知ることができる大切な部分なのです。

足は「第二の心臓」ともいわれ、糖尿病による足切断は、体の血液の循環にも大きな影響があります。
そういう意味からも、足からみた糖尿病治療はとても大切なものなのです。

糖尿病とフットケアについてよく知ることで、足切断のリスクを減らすことが出来るかもしれないのです。

足を切断すると生存率にも影響する

・靴ずれ
・水虫
・うおのめ、たこ
実はこんな小さな異変から、足の切断ははじまります。

健康な人なら放置しても大丈夫だと気にしないような、ちょっとしたことがきっかけとなってしまうのです。
糖尿病や合併症がある人、人工透析をしている人などでは、皮膚にできた亀裂や小さな傷が危険信号。
雑菌の侵入を許すこととなり、全身への感染を引き起こす可能性があります。
また、足の切断となると、日常生活に支障がおこるだけではなく、
5年後の生存率も低くなってしまうことがわかっています。

糖尿病の治療を受けている病院でフットケアが受けられない場合は、フットケア外来など、サポートしてもらえる外来を探し、定期的なケアで足をまもっていくことが必要です。

糖尿病の日常フットケアチェック項目!

毎日、足をよく観察する

外出からの帰宅時、入浴時等、足の皮膚・爪の異常の有無をチェックしましょう。
特に、傷・変色・腫れ・変形・うおのめ・たこ・ひび割れなどにチェックすることが大事です。

踵の後ろ、指の間といった、見にくい部分も鏡や家族に見てもらうなどして忘れずに観察しましょう。

毎日足を洗い、清潔を維持する

足裏、足指の間もちゃんと洗いましょう。
(スポンジか柔らかい素材のタオルで優しく洗うのが良いでしょう)
洗ったあとはよく水分を拭き取ります。
もちろん足指の間もよく拭きましょう。
皮膚の乾燥が気になる場合には、クリームを塗りましょう。

お風呂で火傷をしないよう、湯温に気をつける

入浴時の温度設定などで約40℃くらいに調節しておきます。

こたつや電気カーペットの使用に注意する

神経障害が起こっていると、熱に対する感覚も低下します。
そのため「低温やけど」を生じやすくなってしまいます。
お部屋全体を温める暖房器具を利用するようにしましょう。

裸足で歩かない

裸足で歩くと、小さな傷をつくりやすく注意する必要があります。

たこ・うおのめは病院で処置をしてもらう

たこやうおのめを自分で処理すると、傷ができて化膿したり、
潰瘍になったりすることがあります。

爪の切り方に気をつける

爪はすこしずつ、一直線に切り、仕上げはヤスリで先端を整えましょう。

深爪や、爪の角を切り込みすぎると「陥入爪」という病気になりやすくなります。
爪の角の部分や側面が周囲の組織に食い込み炎症をおこし、赤く腫れ上がるようになります。

爪の変形がある場合、爪の周囲に炎症を起こす原因になったりします。

足にあった靴を選ぶ

ウォーキングシューズのようなものや、運動靴のようなものを選びましょう。

つま先の部分が窮屈なもの、ヒールの高い靴などは履かないほうが良いでしょう。

つま先に1センチ程度の余裕があり、足にあった形の靴が良いでしょう。
クッション性があり、靴底が安定していること。
また運動や散歩のときに足が固定されるものもよいでしょう。
神経障害がある方は、履く前に靴の中に異物がないかよく確認してから履きましょう。

日々のこまめなフットケアで足病変を予防しましょう!

フットケアを怠り、高血糖の状態が長く続いてしまうと、足病変のリスクは高まってしまいます。

足病変は現在糖尿病患者さんの1~2%に見られる症状です。
日頃からの血糖コントロールや、今回ご紹介したフットケアを十分に行っていれば予防ができたり、
万が一発症しても軽度で済むことがあります。
日々のこまめなフットケアで体をいたわっていきましょう!

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