頑張る栄養くん!~ビタミン ナイアシン~

見えないところでも栄養は頑張ってくれています!今回はナイアシン!親しみのない栄養素ですが、本当に重要なんです!

ナイアシンって何?

ナイアシンは、約500種類の酵素を活性化させる働きがあり、体内のさまざまな代謝を助けています。たんぱく質、炭水化物、脂質の代謝によるエネルギー産生や身体を構成する成分の合成、そしてアルコールの分解に不可欠なビタミンです。一部は体内でアミノ酸のトリプトファンからも合成されます。
「ナイアシン」は、ニコチン酸とニコチン酸アミドをまとめた呼び名で、名前からはわかりにくいですが、ビタミンB1、B2などと同じ、「ビタミンB群」チームの一員です。ナイアシンにトリプトファンから合成される量を含めて換算したものを「ナイアシン当量」といいます。現在は、ナイアシンの栄養状態を判定するには、 ナイアシン当量を調べます。
水に溶けやすく、熱などに破壊されにくい安定した性質です。
不足は倦怠感やうつ症状を引き起こすほか、二日酔いの原因にもなります。

たんぱく質・脂質・炭水化物の代謝を助ける

私たちが食べ物から摂ったたんぱく質や脂質、炭水化物を利用するには、これらをエネルギーや身体の成分といった人間に必要な形に作り変える、「代謝」を行なわなければなりません。この代謝に広く関与するのがナイアシンです。エネルギー産生のほか、細胞膜・胆汁酸・ホルモンなどの材料であるコレステロールや、その他様々な物質の合成を助けます。ナイアシンが不足すると、倦怠感や、イライラ感・不安感といった抑うつ症状、肌荒れなどが生じます。

アルコールや有毒物質を分解する

ナイアシンはアルコールを分解する酵素と、アルコール分解から生じるアセトアルデヒドを分解する酵素の、両方を活性化します。アセトアルデヒドはアルコールより毒性が強く、吐き気や頭痛などの二日酔い症状を引き起こします。そのためナイアシンが不足すると二日酔いしやすくなります。
ナイアシンはそのほかの有毒物質の処理も助けます。

欠乏症・過剰症は?

●ナイアシンの欠乏症

ナイアシンが欠乏すると、皮膚、粘膜や消化管、神経系に影響が出ます。口角炎、食欲不振、不安感などの軽い症状や細胞のエネルギーが不足することで倦怠感を感じることもあります。
欠乏症としてはペラグラという皮膚病が知られています。ペラグラはイタリア語で「荒れた皮膚」を意味し、日光に当たりやすい顔や手足が赤くなり、カサカサになるなどの炎症が起こります。悪化すると胃腸障害や下痢、頭痛・うつ・認知症などの神経障害も生じ、子供の場合は成長障害が起こります。
中南米ではナイアシンを含む食品の摂取が少ない上に、主食のとうもろこしにもトリプトファンが少ないため、現在もペラグラがみられます。
日本では、現在の食生活から考えるとナイアシン不足の心配はありませんが、アルコール依存症の場合は欠乏症が出ることがあります。それは、十分に食事をとらず大量にお酒を飲むと、ナイアシンが不足するためです。食欲減退、口角炎、不安感などの軽い欠乏症がみられることがあります。

●ナイアシンの過剰症

日常の食生活の中で、ナイアシンの摂りすぎによって健康の害が現れることはほとんどありません。ナイアシンを大量に摂取した場合には、皮膚が炎症を起こしてかゆくなりヒリヒリすることがあります。しかしこれは一時的なもので健康上の悪影響はありません。さらに悪化すると、嘔吐や下痢、便秘などの消化器症状や、肝機能低下、劇症肝炎 [※8]などの肝臓障害が生じます。

ナイアシンの効果

細胞の生まれ変わりをサポートする

ナイアシンは、他の体内物質と結びつくと、NAD (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)という物質になります。
このNADが補酵素として働くのですが、その際、さらに他の物質と結びつき、NADP (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸)という物質へ変化していきます。
NADPはDNAやホルモンを作る際に必要とされる物質であり、細胞の生まれ変わりを支える役割を持っています。

美肌を作り出す効果

肌の細胞もNADPの作用によって、生まれ変わっています。
きめ細かい肌を作り出すためには、定期的な肌のターンオーバーを欠かすことができません。
日本人の食文化であれば、ナイアシンが不足することはないため、通常、肌のターンオーバーが極度に乱れることはありませんが、年齢や紫外線・埃などの外部的な刺激により、肌の再生能力が低下することがあります。
ナイアシンを摂取して、細胞の生まれ変わりを意識的にサポートすることにより、ターンオーバー能力の増強を行なうことが可能です。
ターンオーバーが増強されると、ニキビなどの炎症効果だけでなく、しみやしわといった老化を予防することもできます。アンチエイジングにも大きく役立つでしょう。

粘膜を保護する効果

ナイアシンは粘膜の細胞の再生にも携わっています。
こちらもNADPの作用によるもので、特に消耗が激しい口や胃腸に影響を与えています。

アルコールを分解する効果

エネルギーを作り出す効果と並んで、重要とされているナイアシンの働きです。
ナイアシンには、アルコールを分解する効果があります。
飲酒などによって、人体に吸収されたアルコールは胃腸では解毒されません。
一旦、血液に吸収された後、肝臓へと運ばれて分解されます。この時に使われるアルコール脱水素酵素の補酵素として、ナイアシンが使用されています。
また、アルコールが分解された後には、アセトアルデヒドという物質が生まれます。
アセトアルデヒドとは、アルコールの主成分であるエタノールが酸化作用によって分解されることにより、体内に生じる物質で、肝機能の活動を阻害する有害物質となります。
アセトアルデヒドが体内に残っていると、頭痛や吐き気などの”二日酔い”が症状として現れます。
ナイアシンは、アセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水酵素の補酵素としても、使用されています。分解されたアセトアルデヒドが酢酸となれば、頭痛や吐き気などの二日酔い症状に悩まされることがありません。

血行を促進する効果

ナイアシンには血行をよくする効果もあります。代表的な例が動脈硬化などの脂質異常症を予防・治療するニコチン酸誘導体です。
ニコチン酸はナイアシンの別名でもあり、悪玉コレステロールの値を低下させ、脂質の分解を促進させる効果があります。分解されるのは悪玉コレステロールだけで、善玉コレステロールは分解されないという利点もあり、さまざまな脂質異常症に活用されています。
脂質異常症は、分解されきれなかった糖質や脂質が血管の中に溜まり、血液の流れを阻害する壁となってしまう症状です。脳卒中や心不全といった重大な症状を引き起こす生活習慣病の原因ともなっており、コレステロール値を下げるニコチン酸誘導体は処方薬として、処方されています。
ニコチン酸誘導体は処方薬であるため、動脈硬化などの症状が現れている人しか入手することができませんが、ニコチン酸誘導体の原材料とも呼べるナイアシンは、一般的に流通している食品から手軽に摂ることができます。
ナイアシンが多く含まれる魚や肉を食べることで、肥満の原因ともなるコレステロール値を下げ、脂肪の分解を促進できるということです。

ナイアシンの摂取目安量

ナイアシンの一日あたりの摂取目安量は、以下のとおりです。

成人男性:15mg
成人女性:11mg

この数値はナイアシンの摂取量です。
ナイアシンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからも生成されます。
トリプトファンから生成されるナイアシンの量は、トリプトファン60mgに対して、ナイアシン1mgとなっています。

ナイアシンを多く含む食品

ナイアシンが含まれる食材
○かつお
○さば
○たらこ
○まぐろ
○レバー
○鶏肉
○きのこ類
○緑黄色野菜
○小麦胚芽
○豆類

効率よく摂るには

ほかのビタミンB群と組み合わせる
ビタミンB群は相互に補い合って働くため、ほかのビタミンB群の多い食品とともに摂ったほうが効果的です。

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ナイアシンはビタミンB群のひとつであり、糖質や脂質といった栄養素を、生体活動を行なうためのエネルギーへと変換するために必要な栄養素となっています。他にもアルコールを分解する作用や、皮膚や粘膜の健康維持、脳神経の保全など、多くの働きを持っており、人間の体になくてはならないビタミンです。カロリーを生み出す体内機能の一部となっていることから、ダイエットとも関わりが深く、美しく健康的に痩せるなら、知っておくべき栄養素です。今回はナイアシンについて、説明していきます。

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