頑張る栄養くん!~ビタミン編 ビタミンEの働き~

頑張る栄養くん!~ビタミン編 ビタミンEの働き~

見えないところでも栄養は頑張ってくれています。今回はビタミンE編!


ビタミンEとは

ビタミンEは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつです。ビタミンE作用をするトコフェロールという物質には数種類ありますが、このうち最もその作用の強いのはα(アルファ)-トコフェロールです。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、このα-トコフェロール量(mg)をビタミンEとしています。

活性酸素の除去

ビタミンEは強い抗酸化パワーを持ち、細胞をサビさせる活性酸素を除去する働きがあります。その強い抗酸化作用により、老化防止(アンチエイジング)が期待できます。

血液サラサラ

抗酸化作用で血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑制し、血栓をできにくくします。

不妊予防・更年期障害の症状緩和

ホルモンの生成や分泌にかかわり、女性ホルモンの代謝をサポートします。

過剰症・欠乏症は?

欠乏症は?

ビタミンEの欠乏症はほとんどみられることはありませんが、無β-リポタンパク血症 [※3]の患者や長期間の脂質吸収障害があった場合には、ビタミンEの吸収が減少するため体内のビタミンEが異常に少なくなります。
未熟児では、多価不飽和脂肪酸を多く含み、鉄を添加された食事によって血液中のビタミンE濃度が低下し、赤血球が壊れてしまうことによって起こる溶血性貧血がみられます。ビタミンEは赤血球の膜で酸化を防ぐ働きをしているため、ビタミンEが長期間不足すると膜が酸化して壊れやすくなり、溶血性貧血の原因となります。
また、ビタミンEが不足すると活性酸素の害を受けやすくなり、シミができる・皮膚の抵抗力がなくなるといった症状のほか、しびれ・知覚異常などの神経症状、筋肉の萎縮などがみられます。細胞の老化が進み、動脈硬化など多くの生活習慣病のリスクを高めることにもつながります。女性の場合は不妊や流産のリスクが高まることもあります。

過剰症は?

ビタミンEは脂溶性のビタミンで体内に蓄積されますが、ほかの脂溶性ビタミンと比べて過剰症は起こりにくいといわれており、ほとんど報告されていません。
一般的な食事でビタミンEを過剰に摂取することはほとんどなく、ビタミン剤やサプリメントを利用する時にも耐容上限量 [※4]を守れば心配はありません。
ビタミンEの過剰症としては、軽度の肝障害、下痢、吐き気、筋力低下が起こります。また、大量に摂取すると血が固まりにくくなり出血しやすくなるため、抗凝固薬 (特にワーファリン)を服用している人は注意が必要です。

●老化を防ぐ効果

ビタミンEは、強力な抗酸化作用によって細胞の酸化を防ぐことから「若返りのビタミン」と呼ばれ、老化を遅らせる効果が期待されています。
血液中の過酸化脂質の量は40歳以降に急に増加するといわれています。また、細胞が酸化されると細胞の働きが悪くなり、老化していきます。老化、関節炎、ガン、白内障、糖尿病、アルツハイマー病などにはすべて酸化が関わっているといわれます。ビタミンEに脳神経を保護するはたらきや白内障の進行を緩和するという研究も報告されています。
また、長年酸化を防ぎきれずに生成された過酸化脂質がたんぱく質と結びつき、老化色素であるリポフスチンとなって臓器や筋肉など全身に沈着します。リポフスチンは老化の進行具合を測る尺度です。老化で生じるこの色素は、ビタミンE不足の人の組織にもみられ、ビタミンE摂取量が多い人ほど老化の進行が遅いという研究報告もあります。老化とビタミンEの関係はまだ研究途中ですが、ビタミンEを補給することは若々しさを保つことに役立つといえます。

●生活習慣病の予防・改善効果

ビタミンEは、抗酸化作用によって生活習慣病の予防や改善に役立ちます。
生活習慣病の中でも、血管が老化し血流が悪化する動脈硬化は、高血圧や心筋梗塞、脳卒中など死亡率が高いとされる様々な病気を引き起こします。
動脈硬化の原因のひとつは、血液中の悪玉 (LDL)コレステロールが酸化され、粘性の高い過酸化脂質が血管の内側にこびりつくことです。血液中を流れるコレステロールも脂肪の膜で覆われているため、酸化されやすいのです。また、血管壁の細胞膜が傷つくことでも動脈硬化は起こります。
ビタミンEは細胞膜のほか、血液中でコレステロールや脂質を運ぶリポタンパク質の中にも存在します。そこでビタミンEの強力な抗酸化力によって、コレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管のしなやかさを保つため生活習慣病の予防や改善に役立ちます。

●血流を改善する効果

ビタミンEは、血管の収縮を促す神経伝達物質の生成を抑えて毛細血管を広げる働きがあり、血流を改善する効果が期待できます。さらに、過酸化脂質を分解して血液中に粘度のある物質が流れ出すのを防ぎ、血液をサラサラに保ちます。
ビタミンEはこの働きにより、末梢血管の血行障害が原因と考えられる肩こり、腰痛、冷え性、頭痛、しもやけ、痔などの症状を改善します。

●美肌効果

ビタミンEの血流改善効果によって、全身に血液が供給されることで細胞の新陳代謝も活発になり、皮膚のカサカサ感を改善したり、肌に色つや・ハリが出るといった効果も期待できます。
さらにビタミンEは、紫外線による害から肌を守る働きがあり、シミやそばかすにも効果的です。ビタミンEは皮膚に浸透することもできるため、ビタミンEを配合した化粧品も多くあります。

●生殖機能を維持する効果

ビタミンEの化学名であるトコフェロールは、「子どもを生ませる」という意味です。
ビタミンEは副腎 [※6]や卵巣にも蓄えられ、女性ホルモンや男性ホルモンなどを含むホルモン [※7]の代謝に関わっています。性ホルモンなどの生成や分泌の調整をする脳下垂体 [※8]に働きかけて生殖機能を維持し、月経前のイライラ、生理痛、生理不順などを改善する効果があります。
また、女性は閉経を迎える時期になると、女性ホルモンの分泌が減少してホルモンバランスが大きく変わり、肩こり・めまい・冷え・のぼせ・息切れ・手足のしびれなど更年期症状が現れます。ビタミンEは女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの材料で、この時期に食品やサプリメントでビタミンEを多く摂取すると更年期症状を軽減することができます。

最近では、ビタミンEと排卵誘発剤を併用すると妊娠率が上がるという報告もあり、不妊治療や更年期障害の治療に使用されることもあります。男性もビタミンEの投与によって、精子数の増加や精力を高める効果があるといわれています。

ビタミンEは足りていますか?

以下の項目をチェックしてみましょう。
該当したら、もしかするとビタミンE不足かもしれません。

*シミが出てきた
*生理不順である
*最近年齢を感じる
*生理痛が気になる
*不規則な生活を送っている
*不妊症が気になる
*食生活が乱れている
*更年期障害が気になる
*疲れがたまっている
*なんとなくだるい
*体温の調節がうまくできない
*肩こりや頭痛が多い
*微熱が続く
*胃腸の調子が悪い
*冷え性である
*不整脈が出る

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若返りのビタミン【ビタミンE】

http://column.asken.jp/nutrient_dictionary/nutrient_dictionary-648/

ビタミンEには老化の原因となる活性酸素をとり除いたり、血液をサラサラにしたりと、私たちのカラダにとってうれしい効果が期待できます。ビタミンEの働きや一日の摂取目安量、ビタミンEを多く含む食材について、あすけん栄養士がわかりやすく紹介します。

この記事のライター

まだまだ未熟ですが管理栄養士です!
仕事でも日々の勉強でもスキルアップしていきたいと思います!

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