2023年9月27日

栄養ってどのくらいとればいいの?日本人の栄養摂取基準!

毎日食事からとっている栄養ですが、 どのくらい摂ればいいんだろう。。。? 一度思ったことないですか? 今回は日本人の摂取基準を解説します!

何をどれだけ食べればよいの? 食事摂取基準とは

私たちが健康を維持・増進するために、また成長期では発育・発達するために、何をどれだけ食べればよいか、その基準を示したものが、「日本人の食事摂取基準」で、厚生労働省から発表されています。以前は「栄養所要量」が発表されていましたが、「食事摂取基準」は栄養所要量がより進化、バージョンアップしたものと考えることができます。
栄養所要量は「不足しない、欠乏しない」ためには、最低どれくらい食べなければならないかということが中心でした。食糧難の時代の考え方ですね。現在は、飽食の時代。一部では欠乏も心配ですが、その一方で過剰摂取、食べすぎも心配です。また、バランスも大切ですね。いろいろな生活習慣病、メタボリックシンドロームなどの発症には食事が大きく関わっています。
そこで、食事摂取基準では、不足や欠乏しないための摂取量の他に、摂りすぎにならない摂取量、さらに生活習慣病の一次予防のための摂取量も示されています。以前の栄養所要量よりも複雑そうに見えますが、正しく理解すれば非常に有用な指標です。

「日本人の食事摂取基準」とは

 「日本人の食事摂取基準」とは
 日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準です。これまでの「日本人の栄養所要量」を2005年に厚生労働省が新たに「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として策定しました。そして2015年4月より「日本人の食事摂取基準(2015年版)」が施行になりました。(以下、「食事摂取基準(2015年版)」)。
 「食事摂取基準(2015年版)」は健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示したものです。栄養素の摂取不足によって生じるエネルギーや栄養素欠乏症の予防に留まらず、生活習慣病の発症と重症化の予防も目的としています。
(健康な個人または集団には、何らかの軽度な疾患があっても日常生活を送り、その疾患に特有な食事療法を必要としない人も含みます。)

 簡単にはどう見たらよいの?

「食事摂取基準」は本来は栄養学を学んだ専門家によって適切に活用されるためのものですが、簡単な見方の例をご紹介します。
 標準体重域にある健康な人が自分に適した栄養素量を摂取しようとする場合、エネルギーでは推定エネルギー必要量、その他の栄養素では(2)推奨量(示されていない栄養素では(3)目安量)をめざします。簡単に見るための指標のみ抜粋した表を掲載しましたので参考にしてください。(ただし、栄養状態を評価する場合は考え方が異なりますので専門家にご相談ください。)

日本人食事摂取基準(2015年版)の表(抜粋)を見る

推定平均必要量とは

推定平均必要量は、対象集団の必要量を測定した、平均値の推定値です。
平均値というのはつまり、50%の人が必要量を満たし、50%の人が必要量を満たさない、
と推定される値です。

つまり、推定平均必要量を下回っている場合に、欠乏する可能性が高いということです。

どちらかでいうと、給食現場など集団を対象とした時に使われる指標であるため、
個人ではあまり使いません。

推奨量とは

推奨量は、推定平均値よりも高い値であり、対象集団のほとんどの人(97~98%)の人が充足する量です。
推定平均必要量に、×1.2などの変動係数を足して算出されます。

個人で使用する指標としては、推奨量が良いと思います。
推奨量を満たしていれば、その栄養素量はほとんど足りていると考えて良いでしょう。

目安量とは

目安量は、対象集団のほとんどの人が不足しない量として設定されています。
その点は推奨量と同じですが、研究が少ないなどで推奨量を算定できない時に設定されます。

具体的には、日本人の栄養素の摂取量と、欠乏症が現れているかどうかなどを調査し、
不足状態を示さない摂取量が目安量として設定されます。

推奨量と同じく、目安量を満たしていればその栄養素量はほとんど足りていると考えられます。

全ての栄養素に対して、研究が豊富にされているわけではなく、
例えば乳児などでは推定平均必要量・推奨量を算定できない事も多くあります。

推定平均必要量、推奨量、目安量は、それぞれ摂取不足に関連するものです。

目標量とは

目標量は、生活習慣病の一次予防を目的として設定されたものです。
さまざまな疾患のリスクや、血液データ等が悪化しない量として算定されています。

その量をはずれたからといって、即座に欠乏症や過剰症が現れるわけではありません。
しかし、そういった食生活を長く続けると、生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。

目標量には例えば、食物繊維や食塩、脂質があります。

近年生活習慣病が増えてきており、病気になる前の一次予防は特に重要です。
そのことを考えると、目標量は積極的に達成したい重要な指標だと思います。

耐用上限量とは

耐用上限量は、過剰症が起きないように設定された指標です。
定義としては、健康障害をもたらすリスクが無いとみなされる、習慣的な摂取量の上限です。

耐用上限量を超える量を習慣的に摂っていると、健康障害のリスクが高まると考えられます。
耐用上限量が設定されていなければ過剰症はないかというと、そういうわけではなく、
過剰症の報告はあるが数値を設定出来るだけの根拠が無い、という場合もあります。

たとえ耐用上限量が設定されてなくても、サプリメント等から過度に摂取するのは避けたほうが良いでしょう。

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